Abstract
EGFR 活性型変異陽性肺癌に対するEGFR-TKIのPFS 延長効果が証明され,EGFR 活性型変異(exon 19 欠失変異,exon 21 L858R点突然変異)はEGFR-TKI の効果予測因子として広く臨床応用されている。しかし,現在その耐性化克服が臨床上の大きな課題になっている。これまでにいくつかのEGFR-TKI耐性機構(T790M変異,MET増幅,HGF 過剰発現など)が明らかになってきており,これら耐性機構を克服する可能性のある新規薬剤も登場している。今後さらなる耐性メカニズム解明とともに耐性化克服への治療戦略の構築が求められている。本稿では,EGFR-TKI に関するトランスレーショナルリサーチ,バイオマーカーの最近の知見を紹介し,肺癌におけるEGFR-TKI の今後の治療戦略について概説する。