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JPY
Abstract
目的: 新規治療薬は,時に未知の副作用を伴う。ソラフェニブは,腫瘍細胞に対する増殖抑制効果と血管新生阻害作用を有する経口のマルチキナーゼ阻害剤であり,Raf-1,VEGF 受容体-1/-2/-3,PDGF 受容体-β,c-Kit,Flt-3,RET などを標的とする。われわれは,ソラフェニブ投与に伴う血清膵酵素値の上昇について検討した。患者および方法:日本人転移性腎細胞癌患者を対象とした第Ⅱ相試験において,合計131 名の患者がソラフェニブ400 mg,1 日2 回の投与を受けた。投与開始後7 日目およびその後3〜4 週間ごとに血清リパーゼ値およびアミラーゼ値を測定した。グレード3 または4 の膵酵素値異常が認められた場合は,膵炎検出の目的で超音波検査またはCT スキャンを行った。結果:リパーゼ値およびアミラーゼ値上昇の有害事象発現率は,全グレードでそれぞれ55.7%および38.2%,グレード3 または4 でそれぞれ30.5%および5.3%であった。その大部分はソラフェニブ投与開始後1〜3 週間以内に認められ,7 日目の測定でグレード3 または4 のリパーゼ値上昇が32 名の患者(24.4%)に認められた。これらの膵酵素異常はすべての患者で自然に消失し,グレード3 のリパーゼ値上昇がグレード2 および1 に回復するまでの期間の中央値はそれぞれ7 日および14 日であった。グレード4 の膵酵素異常のため3 例でソラフェニブは休薬され,このうち2 例ではその後投与量を減量して再開した。膵炎を示す臨床症状または異常な膵画像所見は認めなかった。結論:ソラフェニブ投与時に認められることの多い膵酵素値の上昇は,一過性で無症候性であった。これらの事象は症候性膵炎発症との関連はないものと思われた。
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/content/article/0385-0684/39110/1651