No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
職業や事故などの高用量曝露により明らかになった発がん因子は多数あり,多くは低用量ながら一般環境にも存在する。そのような発がんハザードがリスクになるか否かについては,用量反応関係と当該集団の曝露レベルを照らし合わせる科学的なリスク評価が,がん予防のためには必要である。そして,社会的,経済的,政治的,その他技術的要素を加味して,さらに規制などによる利益と不利益のバランスを考慮して,現実的なリスク管理が求められる。アスベストと環境たばこ煙については,低用量レベルでも発がんリスクであることが明らかになっている因子の例である。食品・飲料からのヒ素・カドミウム,医療や自然環境などからの放射線,大気中のディーゼル排ガスなどは,低用量レベルでのさらなるエビデンスが求められる。一方で,校正印刷業務作業者の胆管がんにおいて原因化学物質として示唆されている1,2-ジクロロプロパンやジクロロメタンのように,高用量曝露の事例が顕在化していなかったために,ヒトの発がん性が未知であったような因子も想定される。環境発がんの予防のためには,職域や地域におけるがんの通常でない発生をがん登録により継続的にモニタリングするとともに,予防原則としてハザードの疑いがある因子は,可能なかぎり曝露を抑えることによる対応が望まれる。
Full text loading...
/content/article/0385-0684/40110/1436