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JPY
Abstract
甲状腺癌の多くは手術により予後良好である。しかし,局所進行性・転移性の髄様癌や放射性ヨード療法に抵抗性な分化癌,極めて予後不良な未分化癌などの難治性の甲状腺癌に対する有効な治療法はない。最近の研究により,細胞内のシグナル経路の活性化,関連する遺伝子の異常,VEGFR やEGFR を介した血管新生が甲状腺癌の増殖,分化度の劣化に関係することが判明してきた。難治性の甲状腺癌に対し,様々な分子標的薬を使用した臨床試験が欧米を中心に行われている。2011 年4 月にはvandetanibが難治性の髄様癌に対して米国食品医薬品局の承認を受けた。2013 年6 月にはphase Ⅲ臨床試験でsorafenib が難治性の分化癌に対しPFS の延長を認め,米国癌治療学会議で報告され,2013 年11 月に米国食品医薬品局の承認を受けた。未分化癌では血管標的薬と化学療法を併用した多施設間の臨床試験が行われている。分子標的薬は,生体での作用機序の解明,抗腫瘍効果予測の方法,有害事象への安全管理などの課題もある。日本における臨床試験は始まったばかりであるが,この新しい分子標的療法は,薬物療法のなかった難治性の甲状腺癌に対する新たな治療法として期待されている。
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/content/article/0385-0684/41020/148