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Cabazitaxel―転移性去勢抵抗性前立腺癌患者の治療における新規タキサン系薬剤―
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JPY
Abstract
転移性去勢抵抗性前立腺癌(metastatic castration-resistant prostate cancer: mCRPC)は不均一性がみられる疾患であり,治療に用いる薬剤,特にアンドロゲン受容体(AR)による増殖刺激経路を標的とする薬剤(以下,AR 標的薬)に対して多様な反応性を示す。新規タキサン系薬剤のcabazitaxel は,ドセタキセルと同様に前臨床モデルで強い抗腫瘍活性がみられた。臨床開発において,cabazitaxel の薬物動態,安全性および忍容性プロファイルはドセタキセルと同様の成績であった。mCRPC患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(TROPIC 試験)において,cabazitaxel群はミトキサントロン群と比較して,いずれもプレドニゾンまたはプレドニゾロンとの併用下で,無増悪生存期間および全生存期間の有意な延長が認められた〔cabazitaxel群の生存期間の中央値15.1か月[95%信頼区間(CI): 14.1-16.3],ミトキサントロン群の生存期間の中央値12.7か月(95% CI: 11.6-13.7),ハザード比(HR): 0.70(95% CI: 0.59-0.83),p<0.0001〕。さらに,TROPIC 試験の長期追跡調査において,2 年以上の生存患者数はcabazitaxel群で60 例(15.9%),ミトキサントロン群で31 例(8.2%)であった(オッズ比: 2.11,95% CI: 1.33-3.33)。また,ミトキサントロンと同程度の疼痛緩和作用がcabazitaxel でみられた。Cabazitaxel の安全性プロファイルはドセタキセルの成績と同様であり,頻度が高いと報告された有害事象は血液およびリンパ系障害(主として好中球減少症)および胃腸障害(主として下痢)であった。臨床試験の結果から,これらの有害事象は慎重なモニタリングおよび必要に応じて用量を減量することが重要であると示唆された。さらに,血液毒性の発現を低下させるために用いるG-CSF 製剤の投与および胃腸障害を軽減させるための制吐剤,および止瀉薬による支持療法の適切な実施が重要であることが示唆された。mCRPC の治療パラダイムは,新たな薬剤などの出現により急速に発展している。Cabazitaxel の有効性および忍容性プロファイルから,本剤がこの治療パラダイムにおいて今後重要な役割を担ってくるものと考えられる。
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