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JPY
Abstract
がん予防は日本のような超高齢化国にとって,健康寿命の延伸と医療費の削減のためにますます重要な社会的課題となっている。がんは禁煙と定期検診を含む合理的な生活様式と感染対策によりかなり予防できるが,他方ひとたび身に付いた成人の生活様式を変えることは相当困難なことが示されている。それゆえ,ナイーブな小学生にがん予防のためのよい生活姿勢を植えつけることが,最も効果的でありかつ社会的に必要であると考えられる。しかしながら,多くが教育の専門家からなる文部科学省の「がんの教育に関する検討委員会」は最近,がん教育の目標として,① がんに関する知識を与えて予防を理解させ,② 的確な思考・判断に基づいて自らの健康管理ができるようにし,③ がんをとおしていのちのかけがえのなさを知り,がん患者や家族に関心を深めるなどをあげ,(がんはたいへん幅が広くまた深い内容をもつので)総合的ながん教育は中学生から開始するのがよい,という提言を行った。ここにあげられた目標はたいへん立派な内容であるが,立派な目標を小学生にも適用し,Éだから教育は中学生からËとするのは具合が悪いのではなかろうか。小学校には小学校のがん教育の目的があってよい。筆者はÉ小学校のがん教育の主眼はがん予防の姿勢を植えつけるËことを提言している。がんはÉだんだん病(step by step disease)Ëであることを明確に理解させることが肝要である。高邁な目的は,もちろん小学校の姿勢教育のなかでもある程度達成されると期待されるが,それを高く掲げることが,かえってÉ小学校のがん教育Ëをたじろがせ,また予防の姿勢を植えつけるという重要な目的に迫る気合いをそぐことがあってはならないと思っている。
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/content/article/0385-0684/42080/903