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術前に肝動脈塞栓/動注化学療法を施行した胃癌術後肝転移の1 例
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JPY
Abstract
症例は83 歳,男性。2013 年6 月,他院にて胃全摘術を施行(T3,N1,M0,P0,M0,stage ⅡB)。術後5 か月目に肝転移を指摘され,S-1 やbi-weekly CPT-11 投与を受けたが腫瘍縮小効果は一時的であったため,肝転移巣の治療目的で当院に紹介受診となった。画像検査では腫瘍濃染を有する長径約9 cm の孤立性腫瘍であったため,手術54 日前にDSM 900mg+mitomycin C 2 mg による肝動脈塞栓化学療法(TACE)と 5-FU 6,000 mg/week による高用量の肝動注化学療法(HAI)の併用療法を行い,肝切除術を施行した。術後の病理組織診断では,門脈腫瘍栓を伴う転移性腺癌で切除断端は陰性であった。術後補助化学療法としてpaclitaxelを2 コース(Grade 3 の神経障害により投与中止)施行。肝切除術後8 か月経過した時点で,明らかな再発は認めていない。術後の観察期間は短いが,本症例のような腫瘍濃染を有する胃癌術後の肝転移に対してTACE/HAIの併用療法が有用である可能性がある。
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/content/article/0385-0684/42120/1460