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JPY
Abstract
胃がんは従来,腺管構造や進展様式などの病理組織学的所見を基に分類され,予後や転移再発形式について検討されてきたが,個別化医療につながるものではなかった。ToGA試験において,抗HER2モノクローナル抗体のトラスツズマブがHER 2 の過剰発現またはHER2 遺伝子の増幅を有する胃がんに対して有効であることが明らかとなり,この結果を基にトラスツズマブのバイオマーカーであるHER2 陽性胃がんが定義された。その後,他の受容体型チロシンキナーゼを標的とするものを含む複数の分子標的治療薬が胃がんで試みられているが,未だHER2に続くバイオマーカーはないのが現状である。近年の遺伝子解析技術の進歩を背景に,The Cancer Genome Atlas(TCGA)のプロジェクトとして胃がんの分子異常について網羅的な解析が行われ,四つの新しい分子サブタイプが提唱された(EBV陽性腫瘍,マイクロサテライト不安定腫瘍,ゲノム安定腫瘍,染色体不安定腫瘍)。各サブタイプはそれぞれ特徴的な遺伝子変異,メチル化異常,遺伝子増幅,蛋白質の過剰発現などの分子異常を有し,一部は臨床病理学的特徴との関連や開発中の分子標的治療薬の標的となる可能性が示唆された。これらの分子サブタイプが患者の層別化や分子標的治療薬を用いた臨床試験のロードマップになることが期待される。
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/content/article/0385-0684/43030/281