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がん化学療法における味覚障害に対するポラプレジンク製剤の有効性
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JPY
Abstract
がん化学療法の有害事象である味覚障害は,摂食低下による栄養状態の低下などを引き起こすことがある。味覚障害の多くは亜鉛欠乏に起因すると考えられ,その補充としてポラプレジンクなどの亜鉛含有製剤の投与が行われている。しかし,がん化学療法時の味覚障害におけるポラプレジンクの投与は,十分評価されないまま慣習的に行われている。また,味覚障害を生じやすい患者の背景も十分に検討されていない。そこで,亜鉛含有製剤の有効性と味覚障害の発現因子の検討をレトロスペクティブに調査した。対象は,2011 年4 月〜2014 年9 月の期間にFEC100療法を施行した女性乳がん患者136 例とし,味覚障害発生の有無,ポラプレジンク投与の有無,それらの有効性を評価した。また,味覚障害の発生に及ぼす患者背景因子[年齢,身長,体重,体表面積とヘモグロビン(Hb)値,血清鉄値,アルブミン値,総蛋白値]の関連性を調査した。その結果,味覚障害が発現した58 例中ポラプレジンクを投与した20 例で改善70.0%,不変25.0%,悪化5.0%であり,その有効性を認めた。重回帰分析において味覚障害発現は,体表面積,Hbの低下幅の2 項目が独立した有意な因子として解析された(p=0.003,p=0.021)。これらの結果から,体表面積に応じて抗がん薬の投与量が多い患者,鉄欠乏など貧血になりやすい患者においては,早期から味覚障害対策として亜鉛補充が望まれると考えられた。
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