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JPY
Abstract
現代のスピリチュアルケアは,1960年代に始まるホスピス運動が起点となっている。では,なぜこの時期なのか。一つには従来,キリスト教圏でパストラルケアと呼ばれてきたものが,この時期に宗教・宗派の枠を越え,ケアを受ける側を主体とするスピリチュアルケアへと展開していったということだ。もう一つは,がん治療における緩和ケアの必要性がはっきり認識されるようになってきたことだ。そしてそれは死生学(death studies)という知の領域の形成と並行している。日本でも1970 年代の後半からホスピスケアと死生学が広まっていくが,それに先立ってがん患者の苦悩と死を前にしたスピリチュアルな探求が関心を集めていた。宗教学者であった岸本英夫は51 歳で自らがんに罹患し,手術を繰り返しながら生き延びる過程で,特定宗教をもたず,来世を信じない立場からいかにして死を受け入れることができるかについて探求を重ねた。その著書,「死を見つめる心」(1964年)は日本におけるスピリチュアルケアの興隆を先取りするような言説の1 例である。
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