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JPY
Abstract
遺伝性乳癌卵巣癌(hereditary breast and ovarian cancer: HBOC)は,常染色体優性遺伝の疾患であり,BRCA1 およびBRCA2 の遺伝子変異によって引き起こされる。70〜75歳までに卵巣癌に罹患する頻度はBRCA1変異保有者39〜40%,BRCA2変異保有者で11〜18%と報告されており,卵巣癌に関してはその大部分が腹膜播種を伴う漿液性腺癌として発症する。以下に当科で行っているHBOC診療について述べる。HBOC診療を行うに当たり,必要なことはハイリスク症例の拾い上げに始まり,十分なカウンセリング後の遺伝子検査前のカウンセリング,検査後のカウンセリングを行うことである。当院では,外来で卵巣腫瘍の診断で入院する症例に対して家族歴調査票の記入を依頼しており,ここからHBOCのリスクを有する症例を拾い上げている。検査前には,なぜ検査を受ける必要があるのか,そして検査の結果に基づいた管理方法,癌のリスク評価について十分な説明を受ける必要があり,検査後にはその結果による管理方法,精神的な変動に対する対応,管理する施設についても話し合う必要がある。サーベイランスで予後を改善するという明確なエビデンスに乏しく,死亡リスクを低下させるために最も有効な手段はリスク低減卵管卵巣摘出術(risk-reducing salpingo-oophorectomy: RRSO)である。これまでに当院では40 例にRRSO を施行しており,浸潤オカルト癌や上皮内オカルト癌は認めていないが,4 例(10%)において卵管采にp53の過剰発現が認められている。また,RRSOの際に子宮摘出を行った36 例のうち,1 例に子宮内膜異型増殖症を,4 例に異型腺管が認められている。これまでの観察期間において腹膜癌の発生はないが,今後も追跡が必要であると考えている。
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