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JPY
Abstract
軟部肉腫は希少かつ難治がんの一つであり,また一般的に化学療法に対する感受性は低く,分子標的治療の開発が望まれる。軟部肉腫における特異的な遺伝子異常としては染色体転座が20〜30%で認められているが,遺伝子産物の多くは転写因子であり,標的薬の開発は難しい。trabectedinはアルキル化剤であるが,転座転写因子の機能を阻害し粘液型脂肪肉腫など転座関連肉腫(TRS)に対して特に有効なことが報告されている。遺伝子変異に対する治療としては消化管間質腫瘍(GIST)のc-kit,PDGFR 変異に対するimatinib をはじめとした分子標的薬の成功に続いて,炎症性筋線維芽細胞性腫瘍(IMT)や隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)など,いくつかのまれな組織型では有効な薬剤があるが,その他の肉腫では開発が進んでいない。また,軟部肉腫でも血管新生が認められ,pazopanib をはじめとした血管新生阻害剤の効果が明らかになっている。さらに免疫チェックポイント阻害剤など免疫分子標的薬の開発も進行している。
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/content/article/0385-0684/44060/457