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マギーズ東京のヒューマンサポート―Cancer Journey とWhere Now ?―
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JPY
Abstract
造園家のマギー・ジェンクス氏は乳がんが再発し余命数か月と告げられた時に「自分を取り戻す」居場所が欲しいと考えた。その遺志を継いだ夫で建築評論家のチャールズ・ジェンクス氏により,1996 年英国エジンバラに「マギーズキャンサーケアリングセンター」第1 号がオープンした。マギーズ東京センター長の秋山正子は,2008 年の国際がん看護セミナーでマギーズエジンバラセンター長アンドリュー・アンダーソン看護師の発表を聴き,マギーズセンターを知り,「自分の力を取り戻す」支援は日本のがん患者と家族に必要な「場」と「支援」だと感じた。人はがんと診断されると大きな衝撃と孤独を感じる。突然明日がみえなくなり,日常すべてが不確かになる。その影響は就学や就業,役割の喪失や変化など人生全般に及ぶ。また,家族や友人,同僚など周囲の人にも影響する。がん診療の変化により,初期治療終了後に遷延していた実存的な悩みが出現する。がんサバイバーシップをマギーズ流には,「Cancer journey」という。がんと診断され,突然地図もなく日程もわからないCancer journeyが始まる。そしてしばしば「心」が取り残される。Cancer journeyには後戻りできないたくさんの別れ道が連続し,選択を迫られる。「Where now ?」は案内パンフレットのフレーズで,自分がCancer journeyのどこにいるのかを認識できるようサポートすることを意味している。マギーズセンターには「建築・環境」と「ヒューマンサポート」という重要な二つの柱がある。病院とわが家の間にある「家庭的な居場所」として,建物が「癒しの空間」となっている。ヒューマンサポートは無料で提供され,予約なしに立ち寄ることができる。経験を積んだがん専門の医療従事者が常駐している。これまでの相談支援の情報提供や問題解決思考による指導と異なり,「一人一人に寄り添う」,「対等な立場」,「自分らしさをエンパワメント」を大切にしている。マギーズの医療専門職を相手に語ることで,自分の「心」や本来もっていた力に気付くことができる。
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