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CART により長期に症状緩和が得られた胃癌腹膜播種の1 例
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JPY
Abstract
胃癌の腹膜播種症例では腹水貯留により腹部膨満が生じ,経口摂取が困難となる症例が多い。近年,難治性腹水に対して腹水濾過濃縮再静注法(cell-free and concentrated ascites reinfusion therapy: CART)を行うことで,低アルブミン血症による全身状態悪化を生じることなく,腹部膨満の症状の改善が期待されている。今回われわれは,胃癌の腹膜播種症例に対しCARTを行うことで,長期間にわたって腹部膨満による苦痛症状の改善と経口摂取の維持が得られ,緩和療法が奏効した症例を経験したので報告する。患者は66 歳,男性。腹部膨満を自覚し近医を受診した。腹水貯留あり,精査にて胃癌,M,3 型,cT4a(SE),cN0,cH0,cP1,cM1,cStage Ⅳと診断し,症状緩和を行いながら化学療法を行う方針とした。化学療法は,5-fluorouracil(5-FU),Leucovorin(LV),paclitaxel(PTX)併用のFLTAX療法を施行した。腹水に対し穿刺ドレナージを行ったが頻回になったため,CARTに変更した。8 回繰り返しCART を施行し,苦痛症状を緩和することができた。CART 開始後,6 か月以上の経口摂取を維持することが可能であり,原病死する直前まで経口摂取が可能であった。難治性腹水を有する胃癌腹膜播種症例に対し,CARTによる緩和療法が有用であった1 例を経験した。
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