No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
水素ガスの免疫学的効果―Nivolumab の臨床効果増強効果―
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
がん患者で増加するPD-1を発現するCD8+ T細胞はexhausted CD8+ T細胞と呼ばれていて,がん患者の予後不良に関与していることが報告されている。exhausted CD8+ T 細胞はエネルギー代謝的にはPGC-1aの発現低下によるミトコンドリア機能不全に起因するエネルギー枯渇の状態にあると考えられている。最近,水素はミトコンドリアの活性にかかわるPGC-1a を活性化することが報告された。今回われわれは,Stage Ⅳがん患者において水素ガスを吸入させることで,末梢血中のPD-1+ CD8+ T 細胞の割合が変化するのかどうか,その変化と患者のprogression free survival(PFS)とoverallsurvival(OS)との関連について検討した。Stage Ⅳの直腸大腸癌患者55 例で検討したところ,terminal PD-1+ CD8+T細胞はPFSとOSの両者において独立予後不良因子であった。水素ガス吸入により,55 例中35 例(63.6%)でterminal PD-1+ CD8+ T 細胞が減少し,逆にterminal PD-1− CD8+ T細胞は39 例(70.9%)で増加した。水素ガス吸入前のterminal PD-1+ CD8+ T 細胞の割合に対する吸入後の割合の変化(terminal PD-1+ CD8+ T cell ratio)がPFS,OSに関して独立予後予測因子であった。また,nivolumab を使用した別の26 症例中14 例は水素ガスを併用したが,水素ガス併用群のOS はnivolumab単独群に比して有意に良好であった。これらの結果は,水素ガスがterminal PD-1+ CD8+ T細胞を減少させることにより,がん患者の予後を改善していることを示唆している。
Full text loading...
/content/article/0385-0684/45100/1475