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婦人科がんにおけるMSI-H Cancerの診断と治療
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JPY
Abstract
婦人科がんのなかで,マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability: MSI)が最も多く認められるのは,子宮内膜癌(内膜癌)である。複数のマイクロサテライト領域にアレル変動が認められる場合にはMSI-high(MSI-H)と呼ばれ,MSI-H cancerである内膜癌は,ミスマッチ修復(mismatch repair: MMR)遺伝子の生殖細胞系列変異であるLynch 症候群と体細胞系列変異あるいはメチル化の異常による散発性MSI-H 内膜癌に分けられる。Lynch 症候群関連腫瘍のなかで大腸癌に次いで多く発生する内膜癌では,散発性に比較して発症年齢が若く,子宮峡部の発生が多い。また,早期癌が多く,内膜癌で頻度の高い類内膜癌だけではなく他の組織型もみられる。一方,散発性のMSI-H内膜癌では,異型度が高い傾向にあるものの,MSI-Hのないものと比較しても予後に差がない。最近,大腸癌に対して,MSI-Hをバイオマーカーとして免疫チェックポイント阻害薬が有効とするランダム化比較試験(RCT)が発表されたことを契機に,内膜癌を含むMSI-H 固形癌にも有効であるとするRCT が報告された。本邦において増加傾向にある内膜癌に対し,MSI-Hを診断ツールとした新しい薬剤の導入と適応拡大が今後注目される。Lynch 症候群に伴う内膜癌は遺伝性腫瘍であることから,患者自身の他の関連腫瘍ならびにその家族における内膜癌を含めた関連腫瘍の発生に対するスクリーニングが重要であることは論を俟たない。しかし,内膜癌を含む多くのLynch症候群関連腫瘍では確立されたスクリーニングの方法はないのが現状である。Lynch 症候群家族におけるがんの早期発見と予後改善のためには遺伝カウンセリングの導入や診療科横断的な管理が必要であり,そのシステム構築が焦眉の課題である。
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/content/article/0385-0684/45110/1577