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JPY
Abstract
免疫機構に対する研究の進展に伴い,近年その知見が矢継ぎ早に臨床応用されるようになっている。なかでも遺伝子改変技術の進歩はがん免疫療法のもつ可能性を大いに切り開き,2017 年8 月に世界で初めての遺伝子細胞治療としてキメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor: CAR)を発現するT細胞療法(CAR-T細胞療法)が米国食品医薬品局(Food andDrug Administration: FDA)に承認されるに至った。しかしながら,遺伝子改変技術を用いたがん免疫療法はまだまだ発展途上の治療法であり,直面する様々な課題を克服すべく多様な試みが行われている。サイトカインやケモカインを分泌させることでCAR-T 細胞の増殖・生存能や腫瘍局所への集積能,細胞傷害能を高めた第四世代CAR-T 細胞はこれまで十分な治療効果が認められなかった固形腫瘍にも高い細胞傷害活性を示している。また,CAR-T 細胞と同様に開発の進められている戦略として,MHCを介して腫瘍抗原を特異的に認識できるT 細胞受容体(Tcell receptor: TCR)を遺伝子導入したT細胞(TCR-T細胞療法)があり,正常細胞に発現せず腫瘍細胞のみに発現する異常蛋白であるネオアンチゲンを標的とした治療に注目が集められている。その他,natural killer(NK)細胞やinvariant natural killer T(iNKT)細胞,gdT細胞などがユニークな免疫機能を有するリンパ球分画として着目され,遺伝子改変技術と組み合わせたがん免疫療法への応用に向けて研究が進められている。また,患者以外の免疫細胞に遺伝子改変を行い治療に使用するoff-the-shelf技術の開発も各種細胞において研究が進められている。今後,個々の患者や腫瘍タイプに最も適した技術の「個別化」と並行して,製剤の品質の均一化や作製期間の短縮,製造コストの削減に向けた技術の「汎用化」という一見相反するコンセプトをめざした研究の進展が期待される。
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/content/article/0385-0684/46060/967