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JPY
Abstract
緩和的化学療法を受けるがん患者の疾患やその治療に関する理解は様々な要因で医療者の意図するところと異なることが多いとされている。その理解の違いが癌の治療では治療選択などの自己決定支援において問題になる。本研究では緩和的化学療法を受ける固形癌患者の治療に対する期待と不安について自己記入式のアンケートを行い,その実態を調査した。患者は原疾患が治癒困難で,治療目標が生活の質を保ちながらの延命であることを口頭および文章で明確に説明し,治療内容に関する同意書と同時に治療に対する期待と不安についてのアンケートを渡し,治療直前に回収した。患者総数は165 名,平均年齢68.3歳,原疾患は消化器癌133名,その他が32 名であった。全体の29%が治療による症状緩和,28%が病巣の縮小などの客観的な治療効果を期待しているなかで,19%は"治癒"を期待していた。最も多くの患者が心配しているのは治療の副作用であった。この比率は一次治療と二次治療で比較して大きく変わることはなかった。進行がん患者に対する初期からの緩和ケアの重要性が確かめられた。また,治療前から副作用の対策と対処法の十分な説明が必要であると思われた。さらに,治癒を目標としない治療を受けながら治癒を期待している患者が少なからずいることを,医療者は認識して疾患の進行度と治療の目標を患者と共有していく努力が必要と思われた。
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