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寛解導入療法中に出血性脳梗塞を来したがPonatinibにて分子遺伝学的寛解を得たフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病の1 例
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JPY
Abstract
患者は50 歳台後半,男性。腰痛,血小板減少で初診し,フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病[Ph+acute lymphoblastic leukemia(Ph+ALL)]と診断した。JALSG Ph+ALL 208 プロトコールにて寛解導入療法を開始したが,day 2 に右後頭葉に脳梗塞を来し,day 9 に左後頭葉に出血性脳梗塞を伴った。多剤併用化学療法の継続は困難と判断し中断した。全身状態は改善し,day 52 にdasatinibを導入した。約5 か月後にPh+ALLは再発したが,陳旧性脳梗塞にて軽度見当識障害および視野欠損残存するもPS 1 で臓器機能は保たれていた。ponatinib の導入は可能と判断し,血管閉塞性有害事象のリスク説明の上15 mg/dayから開始した。30 mg/day に漸増し,脳梗塞再発なく約4 か月内服し分子遺伝学的完全寛解に到達している。脳梗塞既往を有するPh+ALL にも,慎重なリスク管理の下で治療選択肢となる可能性が示唆された。
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/content/article/0385-0684/46110/1795