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診断に難渋した胆管カルチノイドの1例部分的HER2 陽性胃癌術後再発に Trastuzumab 併用療法が奏効した 1 例
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JPY
Abstract
症例は 60 歳台,男性。直腸癌に対し 2016 年 2 月に腹腔鏡下前方切除術を施行した。病理結果は pT2(MP)n(−) M0 の fStage Ⅰであった。術後 1 年の造影 CT 検査で膵内の遠位胆管の一部に造影効果を認めた。MRCP を行ったところ同部位に欠損像を認めたため ERC を施行し,再現性のある胆管欠損像を認めた。生検や細胞診を行ったが,悪性と断定できる 所見は認めなかった。IDUS では非上皮性の腫瘍もしくはリンパ節が疑われた。悪性所見がでていないことから繰り返し ERC にて生検を行ったところ,一部異型細胞が検出された。確定診断には至らないが,患者と相談の上,2017 年 6 月に手術 を行うこととなった。手術は総胆管をテーピングしたところ膵背面に腫瘍を触知した。膵背面を割るように胆管腫瘍をすべ て摘出し,迅速病理診断に提出した。腫瘍は核異型に乏しく,良性の可能性が高いが術前の生検での免疫染色で一度 CA199 が陽性であったことから,完全に悪性が否定できないとの診断となった。膵頭十二指腸切除術を家族は希望せず,胆管腫瘍切除術,胆管空腸吻合術にて手術を終えた。腫瘍は chromogranin A( +),CD56(+/−),CA19-9(+,管状構造のみ),CEA(+,管状構造のみ),核内 p53(−),MIB-1 index 2%未満であった。神経内分泌マーカーは HE 染色でカルチノイド 腫瘍と思われる部分と表層の管腔形成部分の全体で陽性となっており,全体としては NET G1のカルチノイド腫瘍であっ た。しかし表層の管腔形成部分は,さらに CA19-9 と CEA が陽性であり,導管上皮の形質を併せもつものと考えられた。側方断端は陰性だが剥離面は不明であった。組織の結果を基に本人・家族と相談したところこのまま経過観察の方針となり, 無再発のまま術後 30 か月現在に至っている。胆管カルチノイドは非常にまれな疾患であるが,術前に造影効果のみで指摘され,このように繰り返す生検でも診断に至らない胆管腫瘍は本疾患を考慮すべきであると考えられた。
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/content/article/0385-0684/46130/2024