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術前化学療法により組織学的完全奏効が得られた進行直腸癌の 1 例
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JPY
Abstract
症例は 62 歳,男性。主訴は血便。下部消化管内視鏡検査で,下部直腸に 5 cm 大の直腸癌が指摘された。組織型は高分化管状腺癌であり,腫瘍下縁は肛門管近傍まで達していた。腹部骨盤部造影 CT 検査で直腸間膜リンパ節転移が指摘され, 進行直腸癌(cT3N1P0M0,Stage Ⅲa,大腸癌取扱い規約第 8 版)と診断された。本人が肛門温存を希望したため,前医で術前化学療法の方針となった。化学療法として capecitabine,oxaliplatin(CapeOX)+bevacizumab(BV)療法が 12 コース施 行された。化学療法後の下部消化管内視鏡検査で腫瘍は著明に縮小し,肉眼的には厚みのある瘢痕のみとなっていた。瘢痕 からの生検では悪性所見を認めなかった。しかし画像検査で直腸壁の肥厚は残存していたため,化学療法の効果判定は partial response(縮小率 40%),ycT3N0M0,ycStage Ⅱと診断した。肛門温存手術が可能と判断して,括約筋間直腸切除術, 一時的回腸人工肛門造設術を施行した。切除標本の組織診断では主病巣に悪性細胞を認めず,リンパ節転移も陰性であった。 原発巣切除後 6 か月目に小腸人工肛門閉鎖術を施行した。術後追加治療を行わずに外来で経過観察中であるが,再発の所見は認めていない。CapeOX+BV 療法によって組織学的完全奏効が得られた進行下部直腸癌の 1 例を経験したので報告する。
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