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肝動脈化学塞栓術が癌局所制御と症状緩和に寄与したAFP およびPIVKA-Ⅱ産生胃癌術後多発肝転移の1 例
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JPY
Abstract
症例は75 歳,男性。食欲不振と体重減少および心窩部痛を主訴に近医を受診した。精査で進行胃癌(U,type 3,por2)を認め,胃全摘術を施行した(p-T3N3H0P0M0,fStage ⅢB)。術後補助化学療法としてTS-1 80 mg/日を開始した。治療開始5 か月後,右季肋部痛を認めた。CTでは肝右葉に造影効果のある多発巨大腫瘤を認めた。リンパ節転移は認めなかった。肝生検を行い,AFP 産生胃癌の肝転移再発と診断した。再発腫瘤は切迫破裂の所見があり,肝動脈化学塞栓術(TACE)を施行した。TACE後の有害事象は微熱のみであった。TACE後,右季肋部痛はface scale が4 から1 に軽快した。化学療法は患者の全身状態から適応はないと判断した。その後,再度TACE を施行したが腫瘍制御は困難となった。肝動注ポートを造設し,肝動注療法(5-FU 1,200 mg/日,毎週)を開始した。しかし腫瘍の局所制御は困難となり,対症療法に変更した。初回TACEの5 か月後に患者は死亡した。TACEは肝腫瘤の圧排に伴う右季肋部痛の軽減に寄与した。侵襲が少なく,有害事象は軽微であることから症状緩和の治療手段の一つとしても有効であった。
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/content/article/0385-0684/47020/319