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化学療法誘発性末<神経障害を有する乳がん患者に対するハンドセラピー施術後の改善効果の検討
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JPY
Abstract
乳がん患者に用いられるタキサン系抗がん剤は正常な神経細胞の微小管を傷つけ,化学療法誘発性末<神経障害(CIPN)の手指のしびれを引き起こすため,しびれ改善に有効な対処方法が強く望まれている。2017 年,マッサージの物理的刺激は手指の血流量を改善し傷ついた神経を再生させることが報告されたことから,われわれは抗がん剤投与によりしびれを感じる乳がん患者を対象にマッサージ法であるハンドセラピー施術を独自に考案し,しびれの改善効果について検討を行った。ハンドセラピーは,一般社団法人日本フィトセラピー協会直営校のソフィアフィトセラピーカレッジにて講習を受けたセラピスト1名が行い,指先から手首,くるぶし,中手骨,手のひら,肘まで両腕手指で15分間さする手法で実施した。日常生活への影響(Support Team Assessment Schedule-Japan: STAS-J),年齢,BMI,しびれの強さと部位,しびれの性状,治療薬の種類,乳がん発病経年,しびれ発症経年,リンパ節郭清の有無を調べ,しびれの強さは10 cm のVisual AnalogScale(VAS)によって評価した。対象は手指のしびれを訴える乳がん患者51名,平均年齢59 歳,ハンドセラピー施術前後のVAS 評価はしびれの度合いが比較的軽度なSTAS-J 1 で4.7±1.8 から1.9±1.3,STAS-J 2 で4.9±1.4 から2.1±1.3と有意に低下し,しびれの度合いが軽度および中程度でしびれが改善したことを示した。軽度および中程度の STAS-J 1/2と,重度の STAS-J 3/4 のグループで統計解析を行ったところ,年齢,BMI,薬の種類,リンパ節郭清,乳がん発病経年とは相関がなかったが,しびれ発症経年はSTAS-J 1/2 で 1 年以上しびれを感じる人数が有意に高いことが明らかとなった。しびれの部位は近位指節間関節から指先が多く,しびれの性状は正座後のような強いしびれ感を訴える人数が多かった。以上のことから,タキサン系抗がん剤を使用し軽度から中程度のしびれを感じる患者にハンドセラピー施術はしびれ改善に有効であることが示唆された。
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