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転移性膵癌に対する二次化学療法の新たな選択肢―ナノリポソーム型イリノテカン+フルオロウラシル/フォリン酸療法―
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JPY
Abstract
2019年現在,本邦における膵癌の死亡数は肝癌を上回る第4 位である。また,他の癌種と異なり疫学的に国内患者数は増加傾向を示していることや診断時の切除不能率が70%を占めることから,患者の予後改善やQOL 維持・改善のための化学療法の開発は重要な課題となっている。そのようななか,2015 年本邦に先行して欧州にてナノリポソーム型イリノテカン(nal-IRI)はゲムシタビン治療後に増悪した転移性膵癌に対し,フルオロウラシル+フォリン酸(FF)との併用で有効性を示すことが確認された。本療法の海外第Ⅲ相臨床試験NAPOLI-1では,FF 群と比して全生存期間の有意な改善が示された(中央値: nal-IRI+FF 群6.1か月vs FF 群4.2 か月,p=0.012)。このことから本試験は世界的に膵癌二次治療における重要なエビデンスとなった。一方,国内においては本療法の有効性・安全性を確認するため,第Ⅱ相臨床試験によりFF 群と比して本療法の無増悪生存期間(治験担当医師評価)の有意な延長が認められた(中央値: nal-IRI+FF 群2.7 か月vs FF 群1.5 か月,p=0.039)。本邦では2019 年7 月に膵癌診療ガイドラインの最新版が発行され,ゲムシタビン関連レジメン後の選択肢としてnal-IRI+FF 療法がステートメントに記載されることとなった。本稿では,この新しいnal-IRI+FF 療法の開発と関連情報について概説する。さらに,現在国内で開発されている膵癌の薬物療法とともに,本邦の膵癌薬物療法における本療法の位置付けと実臨床においてどのような期待がもたれているかについて述べる。
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