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BRCA1 変異を有するTriple Negative 乳がん細胞に対するPARP⊖1 阻害剤添加の影響
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JPY
Abstract
2018 年に本邦でBRCA1/2 遺伝子変異陽性かつHER2 陰性の手術不能と再発乳がんの治療薬として,poly(ADP-ribose)polymerase(PARP)阻害剤の一つであるolaparib の採用とBRCA1/2 遺伝子検査がコンパニオン診断として保険収載された。本研究では,triple negative 乳がん(TNBC)においてBRCA1 の変異の有無で相違するPARP-1 阻害剤添加後のmicroRNA(miRNA)を同定し,さらにそのmiRNA のPARP 阻害剤と化学療法の併用による変化を検討した。PARP-1 阻害剤曝露後MDA-MB-231,HCC1143,BT549 では減少し,MDA-MB-436 で10倍以上増加したmiRNA はmiR-141,miR-155,miR-205 とmiR-223 であった。PARP-1 阻害剤とgemcitabine(GEM)曝露後にMDA-MB-436 においてmiR-141 は10倍以上増加し,miR-205 は併用曝露後のほうが単独曝露後よりも増加した。miR-141 を含むmiR-200 family とmiR-205 は,ZEB1/2 を標的としてepithelial-to-mesenchymal transition(EMT)に対して抑制的に働くことが知られている。TNBC におけるPARP-1 阻害剤曝露後のmiRNA の変化をBRCA1 変異の有無で分けて検討した結果,BRCA1 変異を有するTNBC ではEMT を抑制するmiR-144 とmiR-205 が,PARP-1 阻害剤単独使用とGEM 併用後の両方で高発現していた。このことから,PARP-1 阻害剤の効果としてEMT の抑制による化学療法の感受性の回復も期待できると考えられた。
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/content/article/0385-0684/48010/53