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がん免疫力をアップさせる目から鱗の腸内ケア―特に胚中心を伴うTertiaryLymphoid Structure 誘導の役割について―
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JPY
Abstract
癌患者は,程度の差こそあれ腸内環境がすでにdysbiosis 状態に陥っている。そのような患者に抗癌剤を投与すると,その副作用で腸粘膜バリア機能が障害される。その結果,bacterial translocation が起こって肝臓類洞内に好中球細胞外トラップと活性化血小板からなる免疫血栓が形成され,そこで腸内細菌を捕捉・殺傷する自然免疫応答が働く。しかしこの免疫血栓が必要以上に過剰に発生すると,そこからHMGB1・S100A8/S100A9・VEGF‒A などのalarmin が細胞外に放出される。これらのalarmin は癌巣部からも放出されており,ともにmyeloid‒derived suppressor cell(MDSC)などの免疫抑制性細胞を肝臓や癌巣部内に数多くリクルートするので,肝臓内にpre‒metastatic niche が形成され,癌巣部の免疫抑制性環境も増強する。したがって,抗癌剤治療時には肝臓や癌巣部にMDSC などがこれ以上増加しないように腸粘膜バリア機能を強化する腸内ケアを行う必要がある。われわれは,独自に考案したプロバイオティクスとL‒グルタミン含有サプリメントからなる腸内ケアを膵癌の術前化学療法施行時に行ったところ,免疫チェックポイント阻害剤の治療効果予測バイオマーカーとして今にわかに注目され始めた“胚中心を伴うmature tertiary lymphoid structure 誘導”を介した驚きの癌免疫応答症例を経験した。そこで,その貴重な病理組織像を紹介するとともに,その液性免疫誘導の詳細な機序について腸内ケアを伴う抗癌剤治療の視点から概説する。
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