No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
近年,悪性リンパ腫領域においても末梢血中の循環腫瘍DNA(ctDNA)解析は,診断,ゲノム異常解析,リスク層別化,奏効のモニタリング,介入可能な変異の検出のための有望な非侵襲的アプローチとして注目されている。解析プラットフォームとしては,PCR ベースの方法と次世代シーケンス解析がある。一塩基置換や短い挿入/欠失,構造変異,コピー数異常を対象にし,なかでも免疫グロブリン重鎖遺伝子/T 細胞受容体遺伝子再構成は悪性リンパ腫に特異的である。悪性リンパ腫の初期診断においては,やはり組織学的構造の情報が得られる従来の組織生検が重要であり,ctDNA 解析はこれに取って代わるものではない。しかし血管内大細胞型B 細胞リンパ腫(IVLBCL)や中枢神経原発びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫(PCNSL)など,特定の節外性リンパ腫においては有効な手段となる可能性がある。IVLBCL では腫瘍細胞は小血管の内腔で増殖し,通常は腫瘤を形成せず,生検すべき部位が不明瞭である。両リンパ腫には,MYD88 L265P,CD79B などの遺伝子変異や免疫回避に関連した遺伝子異常が存在する。したがって,ctDNA 解析によってこれらの変異を検出することは,IVLBCL およびPCNSL の迅速な診断に役立つ可能性がある。また,ctDNA 解析は組織生検による変異解析と比較して空間的な腫瘍の不均一性をよりよく反映する可能性が指摘されており,経時的に実施することも容易であり,より正確な予後予測,治療抵抗性クローンの追跡が可能かもしれない。造血器腫瘍で頻繁に観察されるゲノム異常は固形がんのそれとは異なるため,独自の遺伝子パネル検査を開発する必要がある。本邦においても造血器腫瘍のゲノム医療の体制を整えるべく,準備が進んでいる。
Full text loading...
/content/article/0385-0684/48100/1209