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JPY
Abstract
せん妄は身体的異常や薬物を原因とした軽度の意識混濁を本態とし,認知機能障害,幻覚妄想,気分変動などの様々な症状を呈する病態であり,あらゆる疾患に伴って現れる。がん患者でもよく認められ,特に終末期にはその頻度は高くなり,死亡直前では約90% に認められるといわれている。他の疾患と比較してがん患者により特徴的なものとして,骨転移などを背景とした高カルシウム血症,脳転移,症状緩和目的で使用されるオピオイドやステロイドなどがせん妄発症の直接因子となることがあげられる。さらに脳転移,肝不全,低酸素脳症など回復困難な病態が原因となっている終末期のせん妄に遭遇する機会も多い。 せん妄の対応としては,「原因検索と治療」と「環境調整」が最も重要である。その上で,せん妄の症状軽減のために薬物療法を検討することになる。薬物療法としては抗精神病薬の使用が基本であり,投与経路,半減期,剤型,有害事象と,患者側の要因として糖尿病の有無,せん妄のサブタイプなどを総合的に検討し薬剤を選択する。薬物療法開始後は中止のタイミングも常に意識しておく必要がある。一方,回復が困難な要因によるせん妄の場合にはその治療目標を「せん妄による苦痛症状の緩和」とし,症状緩和に努め,家族も含めた全人的なアプローチを行うことが重要である。
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