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BPSD モデル(チアミン欠乏)ラットにおける精神神経症状および消化器症状に対する抑肝散と抑肝散加陳皮半夏の効果
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JPY
Abstract
本稿で著者らは,抑肝散および抑肝散に陳皮と半夏が加味された抑肝散加陳皮半夏の薬理作用解明の一環として,認知機能障害に加えBPSD(behavioraland psychological symptoms of dementia)様症状を示す動物モデルとして,慢性的にチアミン(ビタミンB1)を欠乏させた(TD)ラットを用い,TD により誘発される攻撃性行動や記憶障害などの精神神経症状および摂餌量低下や胃排出能低下,糞便減少などの消化器症状に対する両漢方薬の効果を比較検討した。レジデント・イントルーダー試験により攻撃性行動を評価したところ,抑肝散および抑肝散加陳皮半夏はTD ラットが呈する攻撃性行動の増加を抑制した。また,ステップ・スルー型受動回避課題にて記憶保持能を検討したところ,両漢方薬はTD による記憶保持能の低下を改善した。さらに,記憶保持能力改善作用の機序として,海馬歯状回における神経新生に与える影響を検討したところ,両漢方薬はTD による海馬歯状回顆粒細胞下帯におけるBrdU陽性細胞数の低下を改善した。消化器症状に関しても,両漢方薬はTD による体重および摂餌量の低下を改善した。さらに,両漢方薬はTD ラットで認められた胃排出遅延や糞便量の低下に対して改善傾向を示した。すべての薬効において,両漢方薬間に有意差は認められなかった。以上の結果から,抑肝散と抑肝散加陳皮半夏はTD ラットが呈する精神神経症状および消化器症状を同程度改善することが明らかとなった。抑肝散加陳皮半夏も抑肝散と同様に,消化器症状を伴う認知症の周辺症状に有効な薬剤である可能性が示唆された。
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/content/article/0386-3603/44020/195