No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
健康成人におけるオルメサルタン投与後の血清カリウム値に関する安全性評価
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
一般的にアンギオテンシンⅡ 受容体拮抗薬(ARB)の後発医薬品開発における生物学的同等性試験の除外基準には,先発医薬品の添付文書に準じて副作用として知られている高カリウム血症が設定される。しかし健康成人におけるARB による血清カリウム値(血清K 値)上昇の程度は明確になっておらず,また,検査基準値の逸脱の程度と除外基準への抵触の判断に根拠が乏しいのが現状である。今回,ARB であるオルメサルタンメドキソミルOD錠の生物学的同等性試験を共和薬品工業㈱より受託し実施する機会を得たことから,投与前後の血清K値の変動を解析し,健康成人を対象とした生物学同等性試験の安全性を検討した。ボランティアの健康成人男性64 名を対象にオルメサルタン後発医薬品または先発医薬品をクロスオーバー法にてそれぞれ単回投与し,投与前日と投与24 時間後の血清K 値の変化について解析した。なお本研究は昭和大学附属烏山病院の臨床試験審査委員会(倫理審査委員会)の承認のもとに実施された。後発医薬品および先発医薬品をあわせた127 例のデータを解析した。血清K 値は薬剤投与前が4.1±0.23 mEq/L,投与24 時間後が4.2±0.24 mEq/L であり有意な上昇を示したが(P<0.001),投与前後の平均値の差は約0.1 mEq/L ときわめて小さかった。また,投与前の血清K 値が4.1 mEq/L 以上の被験者群では変化量はさらに小さい傾向にあった。これらのことからオルメサルタンの単回投与では健康成人の血清K 値を大きく上昇する可能性は低く,生物学的同等性試験における高カリウム血症に対する安全性は高いことが示された。したがって,健康成人を対象としたARB 後発医薬品の生物学的同等性試験を実施する際は,血清K 値の測定と注意は引き続き必要であるものの,その上昇が問題となることは少ないと考えられる。
Full text loading...
/content/article/0386-3603/45050/729