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海外での小児アドバイザリーボードの活動と国内の取り組み
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JPY
Abstract
小さな子どもに服薬させた経験があるだろうか?軽い風邪くらいならおいしいシロップ剤を喜んで服用してくれたかもしれない。しかし,すでに疾病により調子が悪く機嫌も悪い患児はどうだろうか?あるいは慢性疾患で長期に服用しなければならない患児において,飲みにくい薬の服用はかなりの負担を強いることになる。ある5歳の男の子は小児がんとの闘病中,薬がうまく飲めなくて親子で毎日泣きながら本当に苦労されたそうだ1)。小さな子どもの場合,服薬に悪戦苦闘して1回に1時間以上を要することもある。筆者は製薬企業で16 年間製剤研究をしていたが,どうしても患者数が多い疾患に注目してしまい,少数のましてや子どもの意見を聞くことができていなかった。そこであらためて闘病中の子供たちに直接意見を聞いてみたところ,意外にもシロップは不評であった。「甘すぎる」「色を見ただけで吐き気がする」「量が多い」など。「1回で飲める少量がいい」「水にさっと溶ける粉薬がいい」「味もにおいもないほうがいい」と意見はさまざまだが,どうやらシロップは風邪薬など短期間の服用には向いているが,長期連用には適さないようであった。日本では,小児に使用される医薬品のうち約70%が,添付文書に小児の用法・用量が記載されていないことから,医師の裁量でやむを得ず適用外使用されており,小児用製剤まで用意されている製品は少ない。したがって,小児患者自身に剤形や味・におい,錠剤の粉砕など剤形変更を選択できる余地はほとんどないのが現状である。小児にとって薬の味や飲みやすさは,服薬できるかどうかにかかわる重要な問題であり,極端に言えば薬効と同等の意味があるにもかかわらず,なぜ小児用製剤は開発・上市されないのであろうか。
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