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JPY
Abstract
長い歴史のなかで,感冒に対して多くの薬物治療が繰り返され,経験的に有効性を確認しながら「どのように使用するか」という適応症「証」という概念が確立されてきた。感冒の代表的な薬剤である葛根湯1,2)は,その原典である『傷寒論』に「感染の初期,肩こり,無汗,頭痛・発熱・悪寒」に使用するとある。中国で感冒に一般に使われる「 銀翹散 」3)と「葛根湯」は,長いぎんぎょうさん歴史の中で生き残った有効性の高い漢方薬である。葛根湯は漢方の代表的な処方の一つで,わが国では医療用漢方全体で 600~800 億円が使われており,葛根湯は季節が限られるが,年間約2,000 万件処方され,金額的には 22 億円が使われている。そして医療機関以外では,カコナールなどで知られる液状製剤や散剤などとして,約 120 億円が使われている。多くの方々が,葛根湯の薬効を実感しながら服用している。現実には,葛根湯の場合には,「証」にこだわらないで「感冒」に使って問題ないようである。「葛根湯はどのように効くのか」あるいは,「一般の感冒薬とどう違うのか?」という点を以下に概説する。感冒の場合には感染は上気道粘膜に限られるが,多彩な全身症状を呈する。上気道の表在性の感染でありながら全身症状を呈するのは,感染により誘導されたサイトカインが関係する。そしてインフルエンザを含め,感冒で全身症状を伴う場合に,漢方薬が有効であることが経験的に知られている。そこで,インフルエンザ感染マウスを感冒・上気道感染症のモデルとして,西洋薬(NSAID)の代表である解熱剤アスピリンと比較しながら,葛根湯の有用性と全身症状の主因であるサイトカインに対する作用を明らかにした。
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