No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
免疫賦活作用が注目されつつある漢方補剤の一つである補中益気湯(TJ-41)には,構成生薬としてある種の多糖類が含まれている。一方,消化器癌の術後に免疫賦活を目的に経口投与されるクレスチン(PSK)は,多糖類の BRM(biological response modifier)製剤として知られている。PSK を術前に経内視鏡的に投与することによって抗腫瘍免疫のカスケードを強化する治験結果が,すでに教室の友近によって報告されている1)。PSK 注入局所の胃癌組織,ならびに近傍のリンパ節を抗 PSK 抗体で染色すると,単核細胞の細胞質内に顆粒状の陽性物質が認められた。多糖類である PSK は単核細胞によって貪食されうることを示唆し,PSK を貪食した抗原提示細胞(APC)によって,腫瘍免疫応答が開始される可能性が示唆される。多糖類である PSK と同様に,経口投与される補中益気湯も消化管粘膜下に存在する単球系細胞に貪食され,免疫反応の応答性を変化させることが推測される。補中益気湯には「中を補って気を益する」すなわち,「消化機能を補って体力を回復させる」という意味が示唆されており,補中益気湯の粘膜免疫に及ぼす影響については関心のあるところである。今回はヒト末梢血単核球(PBMC)を対象とし,単球上の接着分子群の発現と,抗腫瘍性サイトカインである Th1系サイトカインの産生に及ぼす補中益気湯の効果を in vitro で解析した。また,担癌患者に補中益気湯を経口投与することによる細胞性免疫抑制状態に及ぼす in vivo の効果についても解析したので報告する。
Full text loading...
/content/article/0386-8109/40040/417