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JPY
Abstract
「腹わたが煮えくり返る」,「もの言わぬは腹ふくるるわざなり」,「断腸の思い」などの表現は,脳と消化管の深い関係(brain-gut axis)をみごとに言い表している。実際,心理的ストレスによる,胸やけ,胃もたれ,腹部膨満,下痢,便秘などはしばしば経験される。逆に座禅やヨーガで腹式呼吸を繰り返すことにより精神的安定が得られたり,悟りを開いたりすることも可能となる。したがって,機能性消化管障害(functionalgastrointestinal disorders:FGIDs)の診療に当たっては,腹部のみならず,中枢にも目を向け,神経系や内分泌系も治療しようとするスタンスが必要である。FGIDs は単なる消化管の疾患ではなく,心身相関によって起こるさまざまな病態の氷山の一角だからである。FGIDs で最も重要な過敏性腸症候群(irritablebowel syndrome:IBS)は,現時点ではその発症機序が明らかにされておらず,合理的な治療法が少ないため,その治療に漢方医学の手を借りる必要がある。IBS は他の FGIDs および消化管以外の心身症を併存する場合が多いが,漢方薬では新薬と異なり,それらの併存症も同時に治療できるメリットがある。
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/content/article/0386-8109/41060/591