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JPY
Abstract
近年,生活習慣の欧米化と運動不足により肥満患者数が増加している。肥満,特に内臓脂肪蓄積を基盤とし,一個人に糖尿病,高血圧症,脂質異常症などの動脈硬化性の惹起因子となる疾患を複数個合併することで動脈硬化症に至る,メタボリックシンドロームとよばれる病態が増加している。これまで動脈硬化性疾患の最も大きな危険因子は高コレステロール血症であったが,コレステロール対策だけでは動脈硬化性疾患の予防が十分でないことも指摘され,注目されてきたのがメタボリックシンドロームである。2005 年 4 月にわが国における『メタボリックシンドロームの定義と診断基準』が発表されたが1()図 1),ここでの脂質代謝異常は高トリグリセライド血症,低 HDL コレステロール血症のいずれかまたは両方となっている。診断基準にもあるように,メタボリックシンドロームはウエスト周囲径,つまり内臓脂肪蓄積型肥満を基盤とする症候群であるが,内臓脂肪蓄積は血清コレステロール値上昇よりも高トリグリセライド血症,低 HDL コレステロール血症とより強く関連する。また近年,脂肪組織がさまざまなホルモンを産生・分泌し,糖尿病,高血圧症,脂質異常症の発症や進展に重要な役割を果たしていることがわかってきた。これらのホルモンを総称してアディポサイトカインとよぶ。肥満においては,アディポサイトカインの産生異常が引き起こされ,それが脂質代謝,糖代謝などのメタボリックシンドロームの各因子と深く関わっていることも報告されている。アディポサイトカインにはアディポネクチン,tumor necrosis factor(TNF)-α,plasminogen activator inhibitor(PAI)-1 などがあり,脂質代謝に関係する重要なアディポサイトカインとしては遊離脂肪酸(freefatty acid:FFA)があげられる。
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/content/article/0386-8109/41090/933