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JPY
Abstract
マラリアはハマダラカによって媒介される寄生虫病である。ヒトには,熱帯熱マラリア原虫(Plasmodiumfalciparum),三日熱マラリア原虫(P. vivax),四日熱マラリア原虫(P. malariae)および卵形マラリア原虫(P. ovale)の 4 種が感染する。マラリア原虫は赤血球の中で増殖を繰り返し,発熱や貧血,昏睡というマラリアの臨床症状はこのときに現れる(図1)。なかでも致死性の高い熱帯熱マラリア原虫は熱帯・亜熱帯地域を中心に流行し,年間に 100~300万人がこの犠牲となっている。また,流行地域においては医療費,労働力をも奪われ,マラリアによる経済的損失は年間に 1 兆 5000 億円と推定されている。一方,わが国でも海外渡航者や来日外国人によって国内に持ち込まれる輸入マラリアが年間に約100 例程度あり,熱帯熱マラリアによる死亡例が散発している。近年,薬剤耐性マラリア原虫が蔓延し,また地球温暖化による流行地域の拡大の懸念から,抜本的な対策としてマラリアワクチンの開発に期待が寄せられている。ワクチンによってマラリア原虫の感染サイクルを断つ可能性は,その生活環において 4 ヵ所が考えられている(図 1)。それぞれ標的とする抗原,期待するエフェクター機構,予防効果など,さまざまな点で異なり,ワクチンの開発戦略も大きく異なる。開発が進められているワクチン候補抗原を図 1に示した。ワクチン候補抗原分子は従来,動物実験によって同定されてきた。臨床試験がなされた試作ワクチンを表 1 にまとめる。
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