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MDA-7/IL-24遺伝子導入によるがん治療—抗腫瘍作用機序と臨床応用への可能性—
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JPY
Abstract
MDA-7/IL-24はIL-10を代表するIL-10ファミリーの一員であり,ヒトメラノーマ細胞に増殖抑制やアポトーシスを誘導する分子として引き算ハイブリダイゼーション法によって固定された。MDA-7/IL-24の遺伝子は第1染色体長腕(1q32)に存在するが,この近傍にはIL-10とIL-19,IL-20の遺伝子が存在する。MDA-7/IL-24のシグナル伝達にはIL-20R1/IL-20R2とIL-22R1/IL-20R2の二つのレセプターが関与する。がん細胞に直接MDA-7/IL-24を遺伝子導入させた実験系で,MDA-7/IL-24はメラノーマ,乳がん,肺がんなどを含む多種類のがん細胞に対して増殖抑制作用とアポトーシス誘導作用を発揮することが示されている。MDA-7/IL-24は正常細胞に対してはこのような作用を発揮しない。Ad.mda-7導入によるがん細胞のアポトーシス誘導においては,BAXとBAKの活性化,PKRの活性化,p38MAPK経路の活性化,JNK経路の活性化,Fas/FasL経路の活性化,Wnt/PI3Kシグナル伝達経路の抑制など様々なアポトーシス誘導経路が存在しており,がん細胞の種類によって異なっていることが判明している。さらに,MDA-7/IL-24はがん細胞の放射線に対する感受性を増強する作用も有する。Ad.mda-7投与によりがん細胞内で作られたMDA-7/IL-24細胞外にも分泌される。分泌されたMDA-7/IL-24は近傍や遠隔のがん細胞に対して,レセプターを介して増殖抑制,アポトーシス誘導,放射線感受性増強などの“bystander”抗腫瘍活性を発揮する。分泌されたMDA-7/IL-24は血管新生抑制作用も有する。以上の所見は,MDA-7/IL-24は抗がん療法の有力な武器になり得ることを示している。最近米国で,がん細胞に直接MDA-7/IL-24発現アデノウイルスベクターを投与する第㈵相臨床試験が行われ,このがん遺伝子療法は安全に実施可能であり,臨床上での有効性も示された。
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/content/article/0914-2223/21010/9