No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
食道扁平上皮癌におけるHER2 を標的とした分子標的治療
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
食道扁平上皮癌に対しては,広範なリンパ節郭清を伴った手術療法,化学療法,放射線療法などによる集学的治療が施行されている。しかし,進行食道扁平上皮癌患者の予後はいまだに不良であり,さらなる成績向上のためには新たな補助療法の開発が望まれる。一方,HER2を分子標的とした治療薬として,抗HER2 ヒト化モノクローナル抗体であるHerceptin やHER1/HER2 のチロシンキナーゼ阻害剤であるlapatinib が使用されており,それらの効果は様々な癌種において認められている。食道扁平上皮癌患者においても,HER2 を標的とした分子標的治療は,新しい有効な補助療法の一つとして考えられる。実際,われわれが本論文で示したように,食道扁平上皮癌患者の29.4%においてHER2 が発現されており,Herceptin とlapatinib はHER2強発現食道扁平上皮癌細胞株に対して増殖抑制とapoptosis を惹起し,それらの効果はHER2 強発現乳癌細胞株に対する効果と同程度であった。さらにlapatinibは,食道扁平上皮癌細胞株において細胞表面上のHER2の発現を増幅させ,Herceptin-mediated ADCC の効果を15〜25%増強させた。このHerceptin-mediatedADCCの増強効果は,HER2強発現細胞株だけではなくHER2低発現細胞株においても認められた。これらの結果から,HerceptinとlapatinibはHER2強発現ESCCに対して有効であり,Herceptinとlapatinibの併用療法は食道扁平上皮癌症例の29.4%に対して有望な補助療法の一つとなる可能性があると考えられる。
Full text loading...
/content/article/0914-2223/25050/791