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がん患者と子どもに対する支援~親ががんであることを子どもに伝えるためのサポート~【2】:子育て中のがん患者とその子どもの心
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JPY
Abstract
優等生だった小学生のA ちゃんが,中学生になり突然不登校になった.外来通院を数年しているうちに,がん闘病中の父親との突然の死別体験が,A ちゃんの生活の不安の基盤を作ってしまっていたことが徐々にわかってきた.父親の病状をまったく知らされていなかったA ちゃんは,自分の大切にしている人,物すべての喪失の恐怖から身動きが取れなくなっていったのであった. また,小学生のB くんの母親は,骨髄移植後の状態がわるく,在宅酸素療法を行っていた.ある夜,さらに具合がわるくなって母親は亡くなってしまった.B くんは,養育者となった祖母の乳房を触りながらでないと寝られないようになってしまい,いつまで続けていても大丈夫かと,祖母が相談に来院した.B くんは視界に誰かが見えていないと不安で過ごせなくなっていて,夜は目を閉じているうちにみんながいなくなってしまいそうで,眠ることが怖くなっていたのであった. 子どもたちは,状況を知らされていないままに大切な人を喪失する体験をしたことで,その後の成長に大きく影響を及ぼす反応をきたしていたのである.その反応は,喪失直後から現れるものだけではない.しばらくは過剰に適応していくものの,だいぶ時間を経過して限界を超えたときに,突然その喪失反応があらわれることがあることを忘れないでほしい. このように最悪の状況になったときにこそ子どもに伝えることができるようにしておくには,病気の当初から子どもも家族の一員として親の病状を共有できる関係であることが望ましい.そのために,本稿では,がん患者とその子どもたちの現状についての最近の調査と,小児の抽象概念の認知の発達についての文献を通して,トピックスについて述べる.
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/content/article/1342-0569/18030/373