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JPY
Abstract
わが国初のSSRIが登場して早くも10年近くが経過したが,気分障害の診断と治療をめぐる状況は大きく様変わりしている。この10年間に気分障害の診断で治療を受けている患者は倍増し,抗うつ薬の売り上げも年間一千億円近くになろうとしている。自殺対策の重要な柱としてうつ病の早期発見早期治療が重視され,専門医への紹介が診療報酬の面からも推進されることとなった。しかしその一方で年間3万人を超える自殺者数が10年間続いているばかりでなく,24歳以下の若年成人や小児思春期のうつ病に対する抗うつ薬の自殺関連行動のリスクが明らかとなってきている。うつ病の疾患啓発により受診者数は急増したが,うつ病診断の範囲の広がりが議論の的となっている。本稿ではSSRIを中心とする新規抗うつ薬の登場がもたらした光と影を社会経済的な視点も含めて検討し,SSRIによる自殺関連行動のリスクをその中枢作用,特に衝動性と攻撃性に対する作用を中心に考えるとともに,うつ病治療における抗うつ薬の役割をresilienceという新たな視点で考えてみたい。 Key words :newer antidepressants, SSRI, publication bias, suicidality, resilience, drug―induced mood disorders
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/content/article/1343-3474/11100/1803