Abstract
服薬アドヒアランスを正確にチェックすることは困難であり,再発を繰り返して初めてアドヒアランス不良が明らかになる場合も多い。そこで副作用の実態把握を薬剤師による聞き取り調査から検証した。副作用項目を選択するチェックシートと東京女子医科大学病院精神科薬剤部で作成した聞き取り表を用いて,副作用,その頻度,医師への報告状況を調査した。副作用項目の頻度は,(1)昼間でも眠気がある,(2)朝,なかなか起きられないに次いで,(6)~(11)性機能障害が3番目に多く,それ以外の副作用と比べ,医師へ話したことが無い患者が多い傾向であった。副作用によって日常生活への支障を感じていた患者は30~40%であり,また60~70%の患者はその副作用に我慢できないと回答した。薬剤師は,患者が医師に訴えることができない副作用等を積極的に聞き取り,医師へフィードバックし,服薬を継続していけるような薬剤選択を提案していく必要があると思われた。 Key words : schizophrenia, medication adherence, side effects, sexual dysfunction, drug administration guidance