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臨床精神薬理
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高齢精神障害患者に併存する身体疾患への対応──向精神薬の影響と性差を考慮して
JPY
Abstract
高齢精神障害患者を治療するうえで,恒常性維持機能の低下,症状出現の非定型性,薬の副作用は常に認識しておかなければならない。ただしこれらの特徴は暦年齢に依存するのではなく,個人差が大きい。一般的に高齢者では向精神薬による副作用が重篤化しやすい。向精神薬による副作用が疑われたら投与中止を考慮し,重篤化を防がなければならない。本稿では,向精神薬が関連する消化管運動障害,血糖維持機構の破綻,徐脈,誤嚥性肺炎について解説し,排便反射やインスリン分泌調節にドパミンD2受容体が関与すること,ならびに向精神薬の副作用発現で性差が存在することを述べた。 Key words : constipation, hypoglycemia, bradycardia, TRPV1, sex differences
