Abstract
専門医制度が発足し,専攻医に対する教育が始まっており,その指針も示されてい るが,精神科薬物療法に関して求められる水準は必ずしも具体的に明示されているとは言 えない状況にある。指導医が行うべき専攻医への薬物療法の教育方法についても,同様で ある。本特集では,専攻医の間に身に着けるべき薬物治療技術の水準について,各精神疾 患に対する専攻医教育の指導的立場からの指針が示されている。本稿においては,主に日 本精神神経学会の精神科専門研修指導医マニュアルを紹介する形で,指導医に求められる 薬物療法の教育方法について解説を行う。指導医には薬物療法の教育の前に,専攻医への 一般的な教育が求められるため,最初に教育の一般論について述べ,続いて指導医に求め られる薬物療法の教育方法について述べる。最後に,全国的なガイドラインの教育プログ ラムとして行われているEGUIDEプロジェクトにおいて指導医に求められる理念につい て紹介する。 臨床精神薬理 22:515-519, 2019 Key words :: Certified Senior Psychiatrist of the Japanese Board of Psychiatry, Certified Psychiatrist of the Japanese Board of Psychiatry, Psychopharmacological treatment, education, Mental disorders, EGUIDE project