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JPY
Abstract
1つのクリニカル・クエスチョンに対して,多くの関係者において同一の答えが一 定期間以上共有されている状態を定説だと考え,まずは小規模な定説のシステミック・レ ビューを例にとって定説の内実を吟味した。次いで,その小規模な定説における歴史的経 緯から,母集団の斉一性の問題を考えた。次いで,定説の主語となる部分における3つの 異なった母集団(HbA1c,側頭葉てんかん,うつ病)において,同じく「AはBである」 という単純な命題の構造を取っていてもそれぞれが実際には別の知的枠組みを必要とする ことを論考した。定説とは,私たちが臨床を行うために私たちの全キャリアを通して蓄積 してきた臨床判断の骨格をなす原理原則の基本的な様式であるが,常に予断と陳旧化の源 泉でもある以上,私たちは絶えず立ち止まり,それを更新し,検討することを要請されて いる。様々な定説はその取り扱う対象に応じて,異なった知的枠組みを要請するものであ ることに留意することは,医学の他の領域にもまして,精神医学においてはとりわけ強く 意識されなければならない事柄であろう。 臨床精神薬理 23:559-567, 2020 Key words :: RCT, systemic review, evidence, psychiatry, depression
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/content/article/1343-3474/23060/559