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JPY
Abstract
糖尿病が心血管リスクを増加させ,高血糖がその要因となっていることは疑いがない。一方で,肥満などのインスリン抵抗性状態,あるいは高インスリン血症そのものが動脈硬化を促進させるともいわれている。また,肥満状態などのような内因性インスリンの上昇のみならず,インスリン療法などによる外因性の高インスリン血症も,動脈硬化を促進させる可能性が懸念されている。最近の2 型糖尿病の大規模臨床試験において,血糖コントロールが改善しても心血管イベントが抑制されなかったのは,強化療法においてインスリンが多用されていることも一因ではないかともいわれている。一方で,インスリンの心血管イベントに対する効果を論じる場合には,血糖の降下作用,低血糖が心血管イベントに及ぼす効果,インスリンの血管への作用等を勘案する必要があり,これらの問題を臨床試験のレベルで切り分けることの困難さも手伝って,未だに議論の多い問題である。現時点でわれわれは,インスリン治療をどのように捉え,実地臨床ではどのような治療選択をすべきであろうか。
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/content/article/2186-7879/2030/26