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2001年 63巻5号
外科
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0016-593X
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〈特集〉人工肝臓研究—最近の進歩 I. 各装置の工夫
1. 異種全肝を用いた直接交差潅流法
(猪飼伊和夫)
p.
509–513(5)
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われわれはブタ全肝を用いた異種全肝人工肝補助装置の開発を進めている.ブタ肝を同種血液で灌流するブタ全肝体外肝灌流では24時間以上の安定した灌流が可能であった.ヒト血液で灌流する異種全肝灌流では9 時間まで安定した灌流が可能であり,代謝機能や胆汁分泌は同種ブタ血で灌流した肝臓と同等に維持された.ブタ肝臓との直接交差灌流により肝不全モデル動物は生存時間が延長し,直接交差灌流したヒヒでは溶血以外に重篤な合併症は認めなかった.
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2. 臓器移植用トランスジェニック家畜の開発と課題
(東條英昭)
p.
514–521(8)
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世界的な移植用臓器不足を解決する対策の一つとして,遺伝子導入技術を利用した異種移植用臓器の開発が試みられている.異種移植を成功させるためには超急性拒絶反応を克服する必要がある.第一は,ドナー動物にヒト補体制御膜タンパク質遺伝子を導入し補体活性化反応を制御することである.第二は,α1,3-galactosyltransferaseと基質競合的に作用するα1,2-fucosyltransferaseやα2,3-/α2,6-sialyltransferaseをドナー動物で発現させるか,α1,3-galactosyltransferase遺伝子をノックアウトし,α-galactose抗原を生産させないことである.
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3. 肝細胞浮遊型人工肝臓
(葛西眞一)
p.
522–527(6)
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肝臓の機能を知るために計画されたシミュレーションモデルが,障害された肝臓の機能を補助するという,ひとつの治療手段として開発の対象となってから,すでに半世紀を迎えようとしている.このいわゆるバイオ人工肝臓の最も単純なシステムとして,単離された肝細胞を浮遊型の培養法として装置化する試みが早くから検討されている.本項ではその現況と問題点について紹介した.
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4. 肝細胞スフェロイドと人工肝臓
(伊勢裕彦)
p.
528–532(5)
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肝細胞スフェロイドは,肝細胞が球状の組織様に集合化したもので今では生物学的,物理化学的,機械的などの種々の方法で作成可能であり,通常の単層培養よりも比較的高い分化能(アルブミン合成能)や生存性をもつことが知られている.この肝細胞スフェロイドを大量に集めモジュールに組み込んだハイブリッド型人工肝臓が開発されている.
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5. ハイブリッド型人工肝臓の臨床応用の現状と問題点
(祇園智信)
p.
533–538(6)
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近年,細胞培養技術や体外循環システムの進歩に伴い,主にホローファイバーを用いたハイブリッド型人工肝臓が開発されてきた.欧米ではすでに急性肝不全に対する肝移植までのbridge useとして実用化され,現在,試験的に臨床応用中である.わが国では肝細胞三次元培養を用いた装置などが開発されているが,未だ臨床応用には至っていない.われわれは肝細胞スフェロイドを用いた人工肝臓を開発し,現在その臨床応用を倫理委員会に申請中である.急性および慢性肝疾患の治療となりうる高性能なハイブリッド型人工肝臓の開発が望まれる.
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〈特集〉人工肝臓研究—最近の進歩 II. ヒト不死化肝細胞株の樹立
1. 肝癌細胞由来ヒト高機能肝細胞株の樹立
(松浦知和)
p.
539–543(5)
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肝癌細胞由来ヒト高機能細胞株は,体外循環型バイオ人工肝臓の構成細胞として,貴重なバイオマテリアルである.既存の樹立細胞株から,治療目的にあった機能を有する細胞クローンを選択・利用できれば,スーパー肝細胞の開発を待たずに実際の臨床治療に寄与しうる.現状の細胞株の機能を明らかにし,そのクローン化細胞をバンキングし,さらにバイオリアクターでの培養方法の改良によって,目的の機能を最大限に引き出すことが今後の課題である.
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2. グルタミン合成酵素を導入したHepG2の機能
(大政健史)
p.
544–549(6)
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ハイブリッド型バイオ人工肝に適した無限増殖能を持つ細胞株の構築を目指して,肝臓におけるアンモニア代謝を担っているグルタミン合成酵素(GS)遺伝子をHepG2細胞株に導入し,培地中GS阻害剤methionine sulfoximine(MSX)濃度を段階的に上昇させて遺伝子増幅を行い,アンモニア代謝細胞を構築した.構築したHepG2細胞のアンモニア代謝能を検討した結果,初代肝の約1/4〜1/7の活性を持たせることができた.
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〈特集〉人工肝臓研究—最近の進歩 III. 幹細胞の培養
3. Cre/loxPを用いたヒト肝細胞の増殖法
(小林直哉)
p.
550–556(7)
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急性肝不全の確立された根治療法は肝臓移植術であるが,深刻なドナー不足を考えると万人が普遍的に受け得る治療ではない.肝臓移植に代わる治療法として,近年,バイオ人工肝臓が注目されている.バイオ人工肝臓の材料としては,健常ヒト肝臓細胞が理想であるが現状では必要時にヒト肝臓細胞の大量入手は不可能である.これまで,ブタ肝細胞やヒト肝臓腫瘍由来細胞を材料とするバイオ人工肝臓が臨床試験されているが,有意な臨床的確証は得られていない.本稿では,Cre/loxP 部位特異的組換え反応を利用した安全性の高いヒト肝臓細胞をバイオ人工肝臓に応用しようするわれわれの手法について紹介する.
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1. 増殖性小型肝細胞の培養
(立野知世)
p.
557–562(6)
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私達は,ラットの肝臓から小型肝細胞を分離・培養し,クローン性に増殖することと,小型肝細胞が分化した肝細胞のマーカーと胆管上皮細胞のマーカーを発現する細胞に分化することを示した.さらに,ヒトの肝臓からもラットと同様な増殖・分化する小型肝細胞を分離・培養する技術を開発した.この培養系において,ヒト小型肝細胞はコロニーを形成しながら長期間増殖を繰り返し,アルブミン分泌やP450活性,および糖代謝能を示した.今後,このヒト増殖性小型肝細胞をハイブリッド型人工肝などに役立てたい.
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2. 初代培養系による肝臓の発生と分化
(紙谷聡英)
p.
563–570(8)
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肝発生過程はさまざまな分化段階を経て,最終的に成熟した肝細胞になる.近年,初代培養系を用いた試験管内再構成系によって,FibroblastGrowth Factor 1, 2やオンコスタチンM,肝細胞増殖因子といった液性因子が胎生初期から中期,後期にかけての肝発生に重要な役割を果たしていることが明らかとなった.また,胎生肝は造血細胞の増殖支持能を持っているが,肝発生が進行するにしたがってその支持能が低下することから,液性因子による肝成熟の誘導が肝臓の造血器官から代謝器官への変化を制御していることが示唆された.
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〈特集〉人工肝臓研究—最近の進歩 IV. 人工肝臓開発の歴史と問題点
3. 肝幹(様)細胞の培養
(小暮公孝)
p.
571–580(10)
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肝の幹細胞システムが解明されたなら肝細胞を大量に増殖させ,肝臓を再構築することも可能になる.現状ではいくつかの肝幹細胞の候補者に対するin vitroの研究が中心になっているが,近い将来,臨床応用可能な肝幹細胞を用いた人工肝臓の開発,肝臓そのものの再生も夢ではなくなるだろう.本稿では肝幹様細胞のアウトラインと初心者でも可能なその培養法の実際について紹介した.
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IV. 人工肝臓開発の歴史と問題点
(成瀬勝俊)
p.
581–586(6)
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肝不全の治療法として,異種全肝およびハイブリッド型人工肝臓が期待されている.筆者らは,白血球および免疫グロブリンの吸着除去装置を併用する異種全血直接灌流法を開発してシステムの性能を改善し,さらに両者の比較実験を行ってそれぞれの長所を検討した.今後,トランスジェニック技術を用いた異種タンパクの流入対策や,ウィルスの流入対策などが重要であるとともに,交差灌流法などによる灌流治療の臨床応用が期待される.
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連載/外科医のためのクリニカルパス実践講座 (5)
食道癌のクリニカルパス(その2
(外村修一)
p.
587–593(7)
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連載/基本手術手技Q&A (5)
縫合(1)
(畑 啓介)
p.
594–595(2)
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術者の心構え
☆手術は,外科医の生命である
(磯野可一)
p.
596–596(1)
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臨床と研究
●末梢血管造影時の疼痛・熱感の検討
(狩野 基)
p.
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治療方針
●胃癌穿孔8例の検討
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診 断
●胆石イレウスの2例
(上原正憲)
p.
612–615(4)
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臨床経験
●腹腔鏡下手術にて摘出した胃穹窿部粘膜下腫瘍の2例
(鳥越貴行)
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症例
◇閉塞性動脈硬化症を合併した遺残坐骨動脈の1例
(力丸裕人)
p.
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◇11年後に局所再発をきたした隆起性皮膚線維肉腫の1切除例
(重松久之)
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624–626(3)
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◇蛋白漏出性胃腸症を合併した1型進行胃癌の1例
(荒川 元)
p.
627–629(3)
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◇異所性化骨を伴う殿筋転移を認めた進行胃癌の1例
(今野文博)
p.
630–634(5)
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◇直腸憩室の後腹膜穿孔の1例
(日比俊也)
p.
635–639(5)
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◇圧迫包装薬包(PTP)による小腸穿孔をきたした1例
(関根祐樹)
p.
640–642(3)
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