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2002年 64巻5号
外科
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0016-593X
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特集 肝離断法を考える 1. 肝離断法の比較研究
1. 手割りvsCUSA
(高山忠利)
p.
503–506(4)
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肝実質の離断法として,手割りとCUSAのいずれが勝っているかを,無作為化比較試験で検証した.肝切除予定の132例を無作為に手割り群66例とCUSA 群66例に割付けた.手割り群とCUSA群の間で,出血量(中央値452 m [範囲17〜1,912]対515 m[15〜2,527]),離断時間(54分[7〜205]対61分[16〜177])に有意差はなかった.手術の総括的な質を表す肝切除スコアは,手割り群がCUSA群に比べ有意に良好であった(4.0[0〜12]対5.0[0〜19],p=0.03).離断法は肝切除等級を決定する独立因子であった(補正オッズ比3.06[95% CI1.35〜 6.92],p=0.01).肝離断法として,手割りがCUSA より勝っている.
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2. 肝離断におけるバイポーラシザースの有用性の検討—手割り法との無作為比較試験—
(山田晃正)
p.
507–513(7)
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肝離断の際には,「出血の制御」と「肝機能障害の軽減」に対する留意が不可欠である.当院では1998年より肝離断にバイポーラシザースを導入し,retrospectiveな検討で良好な成績が得られたため,従来法との無作為比較試験を計画した.今回の中間報告では,肝離断時間の短縮と術中出血量の低減が得られ,その結果,術後合併症発生率の低減やドレーン留置期間の短縮,術後血清ALT 値の低減化など,肝離断におけるバイポーラシザースの有用性が示唆された.
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3. 手割りvs CUSA Excel,マイクロ波凝固装置
(谷合信彦)
p.
514–517(4)
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肝離断法の工夫としてCUSA Excelとマイクロ波凝固装置を教室では導入している.これらが従来の手割り法に比し,安全性の点で有用か否かを検討した.系統的切除および大血管に接した部分切除はCUSA を用い,その他の部分切除はマイクロ波凝固装置を用いて肝離断を行った.CUSA やマイクロ波凝固装置は手割り法に比し術中出血量が少なく,手術時間,肝離断時虚血時間も短く,安全な肝離断を可能とした.
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4. 肝切離におけるハーモニックスカルペルvs CUSA, Water jet
(松下通明)
p.
518–523(6)
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われわれが肝切離に用いているシャープフックブレードタイプハーモニックスカルペルの原理と使用法について述べた.ハーモニックスカルペルは凝固と切開が同時に行え,索状物も切離可能であった.合わせて術中出血量や手術時間をCUSA,Water jet とretrospectiveに比較した.出血量の中央値は,それぞれ440, 1,140, 1,218g とハーモニックスカルペルが有意に少なかった.また,ハーモニックスカルペルでは2区域以上とそれ以下の肝切除の群間に出血量の差を認めなかった.手術時間は他群よりやや長い傾向にあった.以上より,ハーモニックスカルペルは実質臓器である肝の切離に有用と考えられた.
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特集 肝離断法を考える 2. 各種器械による肝離断
1. マイクロ波凝固装置による肝離断
(庄野嘉治)
p.
524–529(6)
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肝切除は従来から出血を如何にコントロールするかが問題であり,最近多くの手術器具が,開発,工夫されて手術時間の短縮,術中出血量の軽減,合併症の回避に寄与している.肝切除は,controlled methodを用いて術中超音波を使用し系統的切除をする方法が行われている.しかし,肝予備能が低下し系統的切除が不可能な場合は非系統的切除が必要であり,時にはcontrolled methodを用いず肝離断を行うことがある.この際,肝実質の凝固止血を十分に行うには,Microwave Tissue Coagulator(MTC)が適していると考える.われわれは区域切除以上の肝切除やそれ以下の肝切除においてもMTC を使用してきた.他の器具を使用した肝切除の報告では背景因子,手術の難易度にも差があり比較は困難であるが,今回われわれは,MTC を用いた肝切除例について術式別の手術時間,肝切除量,術中出血量などについて述べる.
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2. CUSAと水流滴下式バイポーラによる肝離断
(山本雄造)
p.
530–534(5)
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安全な肝実質切離は目的としている切離面を確実に捉え,切離面に現れるグリソン鞘枝・肝静脈などの重要な構築物がなんであるかを確認できることによりはじめて達成される.CUSA と水流滴下式バイポーラによる肝離断は各ステップにおいて切離している構造物を常に無血野に直視下で確認しながら手術をすすめることができるところに特徴がある.本稿ではこの2つの器械を効率よく使用するためのコツをこれまでの経験をもとに解説する.
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3. Cautery with Irrigation Forcepsによる肝切離
(西田峰勝)
p.
535–539(5)
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CIF は,水の沸点による熱凝固を利用し,肝臓を凝固したのち圧挫しながら肝離断を行う器械である.2 mm 以上の肝静脈枝は,圧挫によって残存し処理が可能となり,主肝静脈の露出も容易である.これらによって,無阻血下での肝切除が可能となり,残肝への影響が少なく,術後管理も容易となる.
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4. CUSA+ハーモニックスカルペルによる肝切離
(松岡伸一)
p.
540–543(4)
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当科では,肝切除術における肝実質の切離をCUSA とHarmonic Scalpel(HS)のCoagulatingShearsの併用で行っているので,その有用性に関し報告する.CUSA で肝切離面の実質から索状物を露出し,太さ3 mm 以下のものはHS で挟んで凝固切離し,それ以上の太さのものは結紮する方法で肝実質を切離した.過去3年間に43例に本法を用い,平均出血量は,696 g であったが,術後は重大な合併症を認めなかった.本法は有用な肝切離法と考えられた.
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5. アルゴン電気メスを用いた肝切除術
(小山勇)
p.
544–548(5)
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肝離断面の広範囲の出血に対してアルゴンビームコアギュレーターが広く用いられてきたが,このアルゴンプラズマによる凝固モードに切開モードを加えた次世代の高周波電気メスが開発された.この電気メスを用いた肝離断では,電気伝導のよいアルゴルプラズマの存在により,効果的に凝固しながら切開ができる特徴がある.静脈主幹やグリソン鞘近くにはいまだ課題があるが,肝離断の有用な方法の1つと考えられた.
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6. 電気メス付CUSAによる肝離断
(脊山泰治)
p.
549–552(4)
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肝切除において出血量を減らし阻血時間を短縮するためにさまざまな肝離断法が施行されている.CUSA は広く普及しているが構造的弱点もあった.電気メス付CUSA は先端チップに凝固機能を付加するなど,CUSA の弱点を補うことを目的としている.肝切除に使用した手術成績は良好で安全性も十分であり肝離断における有力な選択肢と考えられるが,胆汁漏等の問題は依然として残っている.
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特集 肝離断法を考える 3. 特殊な器械を用いた肝離断
1. 器械縫合器を用いた肝離断
(金子弘真)
p.
553–557(5)
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肝臓外科手術における,肝実質の切離や脈管の処理に器械縫合器を用いた.肝葉切除における腹腔鏡用器械縫合器によるグリソン一括処理や肝静脈処理,肝外側区域のLinear stapler(TL-90)を用いた一括切除などは手術手技の簡略化の面から有用な方法と考えられた.さらに腹腔鏡下肝切除にも応用され,腹腔用自動縫合器を用いることにより,外側区域切除のグリソン,左肝静脈なども確実な脈管処理を行うことができる.肝実質切離に対しても,腹腔用自動縫合器の挿入可能な例では,極めて短時間でかつ止血効果の高い肝切除が可能となる.腹腔鏡下肝切除は症例を厳選することにより安全で侵襲の少ない新たな肝臓外科手術の1つになりうると考えられた.
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2. 吸収性テープやLiver Hanging Maneuverを応用した肝離断
(鈴木正徳)
p.
558–565(8)
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肝葉切除では片葉肝阻血を実施した場合でも,肝動脈系の肝内シャントや肝静脈系のbackflowに伴う肝切離面からの出血に悩まされることがある.また,Pringle法を併用した場合には虚血・再灌流障害による術後の肝機能障害の遷延が危惧される.われわれはポリグルコール酸(PGA)製の吸収性テープおよび各種結紮用機械を開発し,肝切離局所における血流遮断下に肝切離を行っている.また肝右葉に存在する大型の肝腫瘍では前方アプローチによる肝切除が必要になる.この用途に肝部下大静脈と肝の間を特殊な鉗子によりトンネリングし,テープによる肝実質の集束結紮の後に肝切離を行うhanging maneuver を応用している.
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術者の心構え
☆再手術のとき
(内田雄三)
p.
566–566(1)
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連載/外科医のためのクリニカルパス実践講座(17)
胃癌クリニカルパスの電子カルテ化
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p.
567–574(8)
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●術前診断しえた回腸脂肪腫の2手術例
(関根祐樹)
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◇腸重積にて発症した回腸悪性リンパ腫の1例
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◇腹腔鏡下に切除しえた巨大肝嚢胞の1例
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590–593(4)
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◇術前胃粘膜下腫瘍と診断された肝外発育型肝細胞癌の1例
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◇肛門類基底細胞癌の1例
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◇術後に急性心タンポナーデをきたした進行胃癌の1例
(山本康弘)
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601–603(3)
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◇穿刺吸引細胞診により術前診断が可能であった頸部神経鞘腫の1例
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◇虫垂神経鞘腫の1例
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◇大網原発平滑筋腫瘍の2例
(日比俊也)
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611–616(6)
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◇5年生存が得られた幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した十二指腸浸潤結腸癌の1例
(阪本研一)
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617–620(4)
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