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2004年 66巻3号
外科
ISSN
:
0016-593X
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特集 最近の癌再発の診断法と治療法 1.食道癌
1.診断
(夏越祥次)
p.
249–255(7)
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食道癌治療の成績は向上してきているが,再発率は他の消化管癌に比べて依然高率である.再発の有無は画像診断を中心に行われているのが現状であるが,その中で近年導入されたPET は再発に対する全身検索に有効な診断法になりうると考えられる.一方,画像診断で再発巣が描出される前に,潜在的再発巣を発見するための遺伝子診断も今後注目すべき方法である.再発の早期発見後にいかに効果的な治療を行うかが今後の課題である.
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2.治療
(松原久裕)
p.
256–261(6)
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食道癌の予後は手術を中心とした集学的治療の進歩により改善してきた.しかしながら再発例の治療はいまだ問題点が多く残されている.再発例の治療について当科での現状を中心に検討を加えた.食道癌根治手術後の再発においては,切除可能症例に対して積極的に手術を行い良好な結果を得ている.手術不能であり,かつ放射線治療可能症例に対しては化学放射線治療を実施している.遠隔転移に対しては化学療法を選択する.初回に保存的治療が選択された症例における局所再発は,積極的に切除を行い良好な結果を得ている.切除不能症例に対しては化学療法あるいはQOL の面からステント挿入を選択する.食道癌ガイドラインに記載があるようにコンセンサスが得られていない領域であり,テーラーメイド治療がもっとも必要とされる治療分野の一つが食道癌に対する再発治療であると考えられる.
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特集 最近の癌再発の診断法と治療法 2.胃癌
1.診断
(大山繁和)
p.
262–266(5)
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胃癌再発の診断法といっても特殊なものはない.日常診療の中で行われるものであり,丁寧な術後のフォローアップが基本である.胃癌の術後再発は,局所再発,血行再発,腹膜播種再発の三つに分類される.胃癌では,早期に再発を診断することのメリットは多くはないが,局所再発などより早期に診断することで根治の機会も生じることがある.新しい診断法を求めることも重要ではあるが,現時点では,よりCT の診断能を高めることが臨床的により有意義と思われる.
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2.治療
(三輪晃一)
p.
267–273(7)
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再発胃癌の主たるものは,腹膜再発,肝再発,リンパ節再発であるが,腹膜再発はもっとも頻度が高く治療に難渋する.しかし,腹水貯留型や小結節散布型はタキサン系薬剤の腹腔内投与が著効し,腸管狭窄型であってもステント留置や人工肛門造設などによりQOL の改善とともに予後も向上する.また,TS—1,タキサン系薬剤の全身投与は腹膜再発にも奏効例を認めており,これらの薬剤とCPT — 11,CDDP などとの組み合せが複合病変の多い再発胃癌への有効性を高めることが期待されている.
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特集 最近の癌再発の診断法と治療法 3.大腸癌
1.診断
(須並英二)
p.
274–278(5)
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大腸癌再発の中で外科的治療の対象となりうる肝・局所再発を中心に,その診断に関して各種画像検査(腫瘍マーカー,US,CT,MRI,PET など)の特徴を述べた.再発が疑われたさいには,診断をより確実なものとするために各種検査を組み合せ,あるいは経時的に施行することが必要である.治療方針を決定するために病変の存在,位置,広がりを正確に判断することが重要である.
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2.治療
(小野寺 久)
p.
279–284(6)
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大腸癌は生物学的特性から比較的予後がよい悪性腫瘍であり再発しても局所的のことが多く,再切除により延命のみならず治癒も期待できる.一方,近年の化学療法の進歩は,治癒切除困難な再発癌でもQOL や生存期間の改善をもたらしている.また放射線治療,免疫治療,さらには遺伝子治療なども基礎研究の発展に歩調を合せて臨床に還元されつつある.画像診断をはじめとする診断技術の進歩とともに,個々の患者に最適な治療戦略を確立することが必要である.
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特集 最近の癌再発の診断法と治療法 4.肝癌
1.診断
(佐伯知行)
p.
285–289(5)
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肝癌,とくに肝細胞癌の治療は局所療法の分野で進歩が著しい.治療対象の拡大と同時に再発に対する診断対策にも変化が生じている.局所療法により修飾を受けた肝癌の治療効果判定あるいは再発診断には,従来の画像診断に加えて造影エコーや造影MRI などが有用である.治療後のフォローアップにはAFP — L3 分画や高感度PIVKA — II 測定を含めた腫瘍マーカー検査と画像診断による総合判断で再発を早期にとらえる必要がある.
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2.治療
(梅下浩司)
p.
290–294(5)
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肝細胞癌の再発に対して積極的に再切除が行われるようになり,その成績の解析から,初回切除時に単発かつ血管侵襲陰性で,再発までの期間が1 年以上,再発時の画像上血管侵襲陰性で,肝機能良好の症例が再切除のよい適応と考えられる.肝移植については,実に多種の治療法を駆使しうる本邦の肝細胞癌治療体系の中において,その適応を定めるのが大きな課題である.肝外再発については,外科的治療も積極的に試みられているがその適応は限られており,新たな武器が必要である.
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特集 最近の癌再発の診断法と治療法 5.胆嚢・胆管癌
1.診断
(黒川敏昭)
p.
295–300(6)
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当教室で手術を行った胆道癌155 例中115 例に治癒切除が得られ,そのうち57 例(49.5%)に再発を認めた.おもな再発部位は,肝転移28 例,PTBD 瘻孔部1 例,リンパ節転移11 例,局所再発22 例,腹膜播種12 例であった.再切除できたのは肝転移の1 例とPTBD 瘻孔部再発の1 例のみであった.胆道癌再発の診断には視・触診,定期的なフォローアップには腫瘍マーカーの変動,ダイナミックCT やSPIO 造影MRI などの形態画像診断が有用である.そして代謝画像であるFDG —PET は転移巣の質的診断や全身検索に有用であり,今後汎用されるものと思われる.
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2.治療
(平野 聡)
p.
301–308(8)
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当教室で最近5 年間に経験した胆道癌(肝内胆管癌を除く)再発切除例8 例(胆のう癌術後4 例,胆管癌術後4 例)の適応と効果について検討した.再発様式として局所遺残に伴う再発が3 例,遠隔転移巣遺残に伴う再発が1 例あり,また,implantation が原因と考えられる再発としては腹膜再発が3 例,PTBD 瘻孔再発が1 例であった.8 例中3 例は姑息切除にとどまったが,それ以外の5 例で完全切除が可能であり,再切除後の平均生存期間は17.3 ヵ月,3 年生存率は52.5%であった.術後再発に対して他に有効な治療法のない現状では早期に再発を診断して手術適応を吟味し,積極的に外科的治療を試みる姿勢が重要であると考えられた.
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特集 最近の癌再発の診断法と治療法 6.膵癌
1.診断
(福田 晃)
p.
309–313(5)
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膵癌は術後早期に再発することが多く,術後の定期的な理学所見の観察と画像検査から再発の有無を総合的に診断することが大切である.肝,局所,腹膜が3 大再発部位で,肝転移は小転移を除けば最近は比較的早期に診断をつけることが可能で,局所再発はCT での腹部主要血管周囲の軟部組織陰影の存在に着目して経過観察を行うが,腹膜播種は現状では画像での診断はむずかしい.FDG— PET は他の画像で診断困難な転移を描出することもあり,今後の応用が期待される.
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2.治療
(沢井博純)
p.
314–318(5)
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膵癌切除後症例の再発形式をみると,肝転移と局所再発がともに高頻度に起っている.したがって,潜在的肝転移巣・潜在的局所癌遺残を術後補助療法により制御することが術後膵癌再発に対する対策となり,手術成績・進行膵癌患者の予後改善につながることが予想される.本稿では,膵癌に対する補助療法としての抗癌薬多剤併用療法やbiological response modifiers(BRM)の現状と治療効果を検討し,今後の課題について述べる.
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臨床と研究
●高齢者,ハイリスク患者の胃上部癌に対する噴門側胃切除,食道胃管吻合の臨床的検討
(江本 節)
p.
319–322(4)
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臨床経験
●幽門側胃切除術症例に対する磁石誘導下の経皮内視鏡的胃瘻造設術の経験
(高宮紘士)
p.
323–326(4)
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●内視鏡的止血術から緊急手術に移行した出血性胃十二指腸潰瘍症例の検討
(村上三郎)
p.
327–331(5)
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書評
☆再発大腸癌治療ガイドブック
(武藤徹一郎)
p.
332–332(1)
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手術術式
●Prolene hernia systemを用いた成人臍ヘルニアと鼠径ヘルニア同時合併例に対する手術術式
(岡崎 誠)
p.
333–336(4)
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症例
◇切迫肢切断状態を呈した膝窩動脈瘤に不安定狭心症を合併した1例
(阪越信雄)
p.
337–339(3)
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◇壁外性に発育し空洞形成を認めた胃gastrointestinal stromal tumor(GIST)の1例
(森賀威雄)
p.
340–343(4)
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◇腹部外傷に合併した腹部悪性腫瘍の3例
(眞次康弘)
p.
344–347(4)
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◇急性虫垂炎を合併した盲腸癌の2例
(榊 芳和)
p.
348–353(6)
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◇腹腔鏡下に整復可能であったMeckel憩室による絞扼性イレウスの1例
(藤山敏行)
p.
354–357(4)
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◇非閉塞性腸管梗塞症の2例
(亀嶋秀和)
p.
358–362(5)
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◇S状結腸憩室穿通による結腸間膜膿瘍の1例
(三尾寿樹)
p.
363–366(4)
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◇内視鏡的拡張術が奏効した低位前方切除術後早期吻合部高度狭窄の1例
(園田寛道)
p.
367–370(4)
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