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2005年 67巻4号
外科
ISSN
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0016-593X
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特集【エビデンスに基づいた癌化学療法】
I.総論:1.抗悪性腫瘍薬の効果判定
(佐々木栄作; 前田義治; 佐々木常雄)
p.
373–377(5)
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抗悪性腫瘍薬の効果判定の目的は概念的に三つに区別される.Prospective end-point としての抗腫瘍効果判定を目的としてResponse Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST)ガイドラインが示され,日本でも導入されることとなった.RECIST ガイドラインでは,標的病変の最大径の総和にて評価し,さらに非標的病変の評価も加え,総合評価を行う.いくつかの問題点はあるが,今後はRECIST ガイドラインの評価に精通する必要がある.
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I.総論
2.抗悪性腫瘍薬の副作用と対策
(相羽惠介; 宇野真二; 平野明夫; 井上大輔; 柵山年和; 小林直; 落合和徳)
p.
378–383(6)
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抗悪性腫瘍薬の薬物としての特徴は,その薬効に選択性がないことである.よって副作用の管理いかんが治療成否に直結するといっても過言ではない.重篤性,発現頻度的に重要と考えられる副作用としては,骨髄抑制,悪心・嘔吐,下痢,腎障害,心障害,肺障害などがあげられる.いずれも周到な準備,患者教育と発現時の早期対応が重要である.以上の観点より,外科領域で治療対象となる癌腫の癌化学療法を念頭にコンセプトレビューした.
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3.抗悪性腫瘍薬の作用機作と薬剤耐性
(鶴尾隆)
p.
384–389(6)
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従来の抗癌薬の多くは,癌細胞に対する細胞毒性を指標に,ランダムスクリーニングによって見出されてきたものである.一方,最近癌のベーシックサイエンスの発展に伴い,癌細胞の特性を規定する分子機構が明らかにされるにつれ,それらの機構に関与する分子標的を明確にし,その機能を制御する作用機作をもつ分子標的薬剤の研究が盛んに行われるようになった.本稿では,抗癌薬とその作用機作のレビューに加え,われわれの研究を含め,癌分子標的治療研究について述べる.
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II.各論
1.乳癌
(高山伸; 池田正; 神野浩光; 和田真弘; 嶋田俊之; 高橋麻衣子; 菅家大介; 北島政樹)
p.
390–395(6)
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現在の乳癌治療はEBM が中心となっており,日本でも薬物療法に関する乳癌診療ガイドラインが2004 年6 月に発行された.乳癌の化学療法は,転移・再発乳癌の治療や術前・術後の補助療法として有用であり,さまざまな局面で使用されている.タキサンなどの新規抗癌薬の導入により,その使用方法も常に新しく変化している.乳癌の特徴をよく理解し,エビデンスに沿った治療を患者とともに選択していくことが大切と思われる.
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2.食道癌
(藤田博正; 末吉晋; 田中寿明; 田中優一; 白水和雄)
p.
396–400(5)
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食道癌の化学療法および化学放射線療法はcisplatin(CDDP)と5-fluorouracil(5-FU)が中心である.食道切除術の補助療法としての化学療法および化学放射線療法は術前と術後を問わず,その有効性はいまだ確定されていない.切除可能食道癌に対する根治的化学放射線療法definitive CRT は50%以上の完全寛解率(cCR)を得ることができるようになり,食道切除に匹敵する治療であるかどうかの検討がなされようとしている.
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3.胃癌
(沖英次; 馬場秀夫; 前原喜彦)
p.
401–406(6)
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進行胃癌に対する化学療法に関しては,古くから5-FU をkey drug とした併用療法がヨーロッパを中心に行われてきた.しかし,ある程度の効果は認めるものの,十分満足できる臨床成績は得られていなかった.ここ数年でCPT-11,タキサン,TS-1 などの薬剤が続々と胃癌に適応となり,日本でも多くの臨床試験が進行中で,高い奏効率が報告され始めた.一方で,補助化学療法の是非については今まで明確な回答はないが,TS-1 単独療法をはじめ,現在進行中の臨床試験により将来その有用性が明らかになっていくであろう.
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4.消化管悪性リンパ腫
(荒井ちあき; 名取一彦; 倉石安庸)
p.
407–411(5)
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消化管悪性リンパ腫は,病理組織学的にB 細胞性非Hodgkin リンパ腫が多い.胃を原発とする場合が多く,その代表的疾患が粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫である.MALT リンパ腫の限局期では,Helicobacter pylori の除菌療法が第一選択の治療といえる.その他のリンパ腫の治療方針は,病理組織学的悪性度および臨床病期によって異なる.限局期消化管悪性リンパ腫に対して,欧米では放射線療法を含む非外科的治療が主流であり本邦でも検討されている.一方進行期消化管リンパ腫では化学療法が治療の中心となる.
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5.Gastrointestinal stromal tumor(GIST)
(西田俊朗)
p.
412–418(7)
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進行gastrointestinal stromal tumor(GIST)に対する分子標的治療薬— imatinib mesylate の治療効果は奏効率60%以上と良好で,その効果はGIST の原因遺伝子であるc -kit ならびに血小板由来増殖因子受容体α(PDGF-Rα)遺伝子の変異様式により異なる.Imatinib mesylateの治療効果は必ずしも腫瘍縮小を伴わず,その効果判定にはFDG-PETの取り込み低下ないし消失,CT での低吸収化が有用である.Imatinib mesylate は認容性が許す限り高用量で継続的に服用すべきである.しかし,長期投与に従い,imatinib mesylate 耐性が生じているが,多くはクローナルに生じ,耐性=服薬中止ではない.また,imatinib mesylate耐性GIST に対する新たな分子標的治療薬の臨床開発がすすんでいる.
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6.進行大腸癌
(井上靖浩; 三木誓雄; 楠正人)
p.
419–425(7)
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近年の大腸癌化学療法の進歩は目覚ましく,1957 年の5-fluorouracil(5-FU)誕生に始まり,1990 年代は5-FU/leucovorin(LV)がゴールドスタンダードとしての地位を確立した.その後irinotecan(CPT-11),oxaliplatin がこれに加わり,MST も20 ヵ月に迫るレベルまで向上してきた.最近では分子標的製剤を用いることでさらなる進歩をみせている.本稿では,欧米を中心にすすむ大腸癌化学療法の進歩と本邦でのわれわれの取り組みを併せて紹介する.
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7.転移性肝癌
(熊田卓; 桐山勢生; 曽根康博; 谷川誠; 久永康宏; 豊田秀徳)
p.
426–433(8)
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転移性肝癌の化学療法について肝動注化学療法と全身化学療法を比較しながら大腸癌と胃癌を中心として述べた.大腸肝転移は局所的な性格を有し肝切除が積極的に行われるようになったが切除不能例も多く,全身および局所の化学療法が適応となる.肝動注は奏効率が高いが生存期間延長への効果は確認されていない.肝外病変の悪化が予後を決めることが多い事実より,適切な全身療法との併用が必要である.胃癌肝転移は肝切除の適応となることは少なく,化学療法の適応となることが多い.同様に肝動注の奏効率はよいが,肝外病変の悪化で失うことが多く全身療法の併用が必要である.すなわち,転移性肝癌では局所および全身の化学療法を適宜組み合せながら治療することが望ましい思われる.
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8.原発性肝癌
(奥坂拓志; 上野秀樹; 池田公史)
p.
434–440(7)
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肝切除術,経皮的局所療法,肝動脈塞栓療法は肝細胞癌に対する標準的治療法として位置づけられ繁用されているが,肝細胞癌患者の予後は今なお不良であり,これらの治療のみでは限界がある.肝細胞癌の治療成績向上のためには,化学療法をはじめとする新しい治療法の発展が必要である.現在,肝細胞癌に対して確実な効果のある抗癌薬はなく,延命効果の明らかなレジメンは確立していない.治療効果の高いレジメンの開発を目指して,現在多くの臨床試験が行われている.
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9.膵癌
(土井隆一郎; 藤本康二; 今村正之)
p.
441–448(8)
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膵癌は消化器癌の中でもっとも予後不良な難治癌の一つであり,外科切除療法,放射線療法に代表される局所治療法のみでは太刀打ちできない.2001 年4 月までは膵癌に有効な化学療法薬はなかったが,現在はgemcitabine hydrochloride(GEM)によって生存期間の延長が期待できるようになった.現在GEM を凌駕する化学療法薬やGEM との併用療法は知られていない.TS-1 などの新規抗癌薬や他の分子標的薬剤との併用によってさらに生存期間の延長が期待される.
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連載/外科医のための輸血医学講座 (11)
肝臓外科における輸血
(北順二; 窪田敬一)
p.
449–452(4)
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患者管理
危険点数を用いた周術期肺血栓塞栓症の高危険群解析と予防対策
(長佐古良英; 三澤一仁; 佐野秀一; 伊東義忠; 合田由起子; 河東寛)
p.
453–458(6)
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臨床経験
最近の痔核および粘膜脱手術例の検討
(岡崎誠)
p.
459–464(6)
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症例
超音波ガイド下マンモトーム生検により診断が得られた乳腺adenolipoma の1 例
(玉置剛司; 尾浦正二; 平井一成; 吉増達也; 粉川庸三; 岡村吉隆)
p.
465–468(4)
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脳死肝移植2 例の経験
(冨樫順一; 菅原寧彦; 幕内雅敏)
p.
469–472(4)
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腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した脾腫瘍の2 例
(松村雅方; 吉川和彦; 妙中直之; 榎本準; 西村重彦; 山本篤)
p.
473–478(6)
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術前上部内視鏡検査が診断の一助となったS 状結腸憩室穿孔バリウム腹膜炎の1 例
(中尾健太郎; 角田明良; 安田大輔; 鈴木直人; 山崎勝雄; 草野満夫)
p.
479–481(3)
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胆管と交通を有した巨大肝嚢胞の1 例
(原田昌和; 花田明香; 白澤文吾; 味生俊; 森重一郎)
p.
483–486(4)
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直腸子宮内膜症の1 例—— 術前ホルモン療法は必要か
(松岡隆久; 松井則親; 岡和則; 西健太郎; 守田知明)
p.
487–490(4)
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腹腔鏡補助下手術が有用であった左傍十二指腸ヘルニアの1 例
(福枝幹雄; 本坊健三; 二渡久智; 四元大輔; 三阪高春; 藤崎邦雄)
p.
491–494(4)
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書評
医の倫理と法—— その基礎知識
(古川俊治)
p.
482–482(1)
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