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2005年 67巻5号
外科
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0016-593X
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第105 回日本外科学会記念号:特集【日本の外科文化の発展— ボーダーレス時代での検証】
巻頭言【特集に寄せて】
(二村雄次)
p.
497–497(1)
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特集【日本の外科文化の発展— ボーダーレス時代での検証】
1.冠動脈バイパス術(CABG)と冠動脈インターベンション(PCI)
(恒吉裕史; 米田正始)
p.
498–504(7)
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冠動脈疾患における治療法として冠動脈インターベンション(PCI)と冠動脈バイパス術(CABG)があげられるが,両治療法の選択には,わが国と欧米諸国のあいだで大きな差がある.欧米諸国では,PCI:CABG 比は1 〜 3:1 であるが,わが国では約6 〜 7:1 と,欧米と比べてPCI の頻度が異常に高い.この不均衡な状況を是正すべく両治療法のエビデンスを見直し,また薬剤溶出性ステントにも対抗しうるCABG の将来展望について述べた.
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2.治療経過からみた血管内治療と観血的手術の血管疾患への適応—— 腹部大動脈瘤
(石丸新)
p.
505–508(4)
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大動脈瘤に対する血管内治療として期待されているステントグラフト内挿術の開発がすすみ,Y 型グラフトを中心とした数種類のシステム機器が欧米を中心に海外各国で臨床使用されている.本邦ではいまだ使用承認にいたっていないが,多施設臨床治験が終了してから3 年が,また世界的には臨床導入されて約10 年が経過し,蓄積された多くの経験からその成績が明らかとなりつつある.本法は,適応の選択と手技の習熟により,大動脈瘤に対する低侵襲治療として,人工血管置換術に並ぶ有効な治療手段として定着するものと考えられる.
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3.局所進行肺癌に対する治療戦略
(奥村栄; 中川健)
p.
509–512(4)
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肺癌における局所進行癌とは,標準手術の範囲を超えた肺癌ということであり,周囲臓器に浸潤した肺癌(T3 とT4)や臨床的にN2 以上の高度リンパ節転移を伴った肺癌などがこれに含まれる.『肺癌診療ガイドライン』1)が刊行され,局所進行肺癌も標準治療が示されているが,EBM の根拠となるエビデンスが乏しいため,標準治療とされる治療方法の推奨レベルの低い点が問題である.胸壁・心膜・横隔膜浸潤の肺癌はT3 肺癌であり,これらの切除は手技的に容易であることから,臨床的にN2 症例でなければ外科療法が中心となっている.T4 浸潤臓器には,心臓や大血管,気管分岐部,胸椎や食道などの臓器があり,その術式は多様かつ複雑である.気管分岐部,上大静脈,左房などの切除例の予後が比較的良好であり,またT4 単一臓器浸潤例や扁平上皮癌でN0 あるいはN1 症例の切除症例の予後が期待される.局所進行肺癌の中で手術単独治療が標準治療となる肺癌は少なく,集学的治療を必要とする肺癌が多い.しかしながら,その手術侵襲から術前・術後に十分な合併療法が施行されていないのが現状である.
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4.乳癌初発例に対する手術の縮小化と薬物療法の接点
(三浦重人)
p.
513–517(5)
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乳癌治療は今大きくかわろうとしている.一つの変化は乳房温存療法とセンチネルリンパ節生検に代表される外科手術縮小化の流れであり,もう一つの変化は術後補助療法や術前化学療法に代表される薬物療法巨大化の流れである.それに伴って外科医中心の医療から臨床腫瘍医によるチーム医療へ,生存率至上主義からQOL 尊重へと治療の体制や理念も変化しつつある.
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5.食道sm 癌の治療—— 手術vs 放射線化学療法
(梶山美明; 鶴丸昌彦)
p.
518–523(6)
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食道sm 癌のリンパ節転移率は50 〜 60%と高率であり,約1/3の症例で反回神経周囲リンパ節に転移を認める.また術前リンパ節転移診断の正診率はいまだ満足すべき水準になく,現時点における標準治療法は手術療法である.根治が大いに期待できる食道sm 癌であるからこそ手術のクオリティコントロールを厳格に行わなければならない.一方,放射線化学療法の進歩に対しても真摯にこれを受け入れ,新たな臨床試験の結果も積極的に評価していかなければならない.
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6.胃癌大動脈周囲リンパ節郭清の是非
(三輪晃一; 藤村隆)
p.
524–528(5)
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日本には大動脈周囲リンパ節(No. 16)にまで転移した胃癌でも,郭清で治癒可能であるとするエビデンスがある.それゆえD3 の試みは容認され,抵抗はない.一方,欧州ではD2 の成績がD1 より良好であるとのエビデンスが得られず,さらなるD3 は試みられていない.欧州のD1 手術死亡率は10%以上で日本より桁違いに高い.このことは患者そして医療事情がわが国とは大きく異なることを意味しており,その成績は慎重に分析されるべきである.科学的な検証は日本でのランダム化試験にかかっている.
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7.直腸癌に対する側方郭清は必要か
(加藤知行; 平井孝; 金光幸秀; 小森康司)
p.
529–533(5)
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直腸癌に対し側方リンパ節郭清が行われるようになって25 年以上がたつが,手術侵襲が大きいうえにその成績が施設によって異なるためにいまだに基準術式になっていない.側方郭清の問題点には各リンパ節群の範囲の同定,適応,郭清術式と手技,術後の神経障害の対応,RCT の必要性などがある.腫瘍下縁が下部直腸(Rb)に及ぶ癌で固有筋層に浸潤したものの側方転移率は9%,浸潤が固有筋層を越えたものは20%で,これらに対して両側の系統郭清を行う.郭清の効果は転移陽性例のみでなくstage II にも有効である.側方転移例の5 年生存率は44%である.
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8.大腸癌多発肝転移に対する手術適応の再評価
(石崎陽一; 川崎誠治)
p.
534–541(8)
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近年,肝切除の安全性が確立され,切除以外の根治的治療法がないことから,大腸癌肝転移に対する手術適応は拡大する傾向にある. 1.原発巣が完全に切除されている, 2.肝転移巣を肝切除により完全に切除できる, 3.肝切除後の残肝機能が保たれるという条件を満たせば転移巣の数や大きさに関係なく手術適応となる.肝外病変を有する肝転移に関しては,肝門部リンパ節転移の認められる症例は予後不良とされ切除に否定的な意見が多い.肺転移合併例に関しては,肺転移巣切除による長期生存例が認められている.術前門脈塞栓術や血管合併切除を併用し,積極的に転移巣を切除することがすすめられる.残肝再発例に対しても,上記の基準を満たせば再肝切除の適応となり治癒の可能性が期待される.
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9.肝細胞癌の治療—— 外科の守備範囲は?
(有井滋樹)
p.
542–550(9)
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発表されたretrospective study からの検討では,基本的には肝機能が許せば切除が第一選択となる.2 cm 以下の場合の最適治療法については今後のラジオ波凝固療法(RFA)の成績を待つ必要があるが,肝切除,RFA それぞれの至適病態を明らかにすることが大切である.高度進行肝細胞癌に対してはインターフェロンを含む化学療法との優劣が問題となるが,まだ化学療法には限界が大きく,選択された症例には肝切除で良好な予後が期待される.また,肝移植も肝細胞癌治療の重要な位置を占めつつある.すなわち2cm 以下肝細胞癌を除いては切除が第一選択であり,肝移植が可能となった現在,外科の守備範囲は決して狭くはなっていない.
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10.胆道閉鎖症に対する新知見と挑戦的治療
(岩井直躬; 嶋寺伸一; 出口英一; 木村修; 久保田良浩; 小野滋; 青井重善; 文野誠久)
p.
551–554(4)
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過去16 年間に当教室で経験した胆道閉鎖症30 例の治療経験をもとに,その治療成績,挑戦的治療としての外科的治療および術後ステロイド療法について検討した.葛西手術での肝門部結合織切離面を門脈後面のレベルで行った結果,黄疸消失率は30 例(吻合不能型25 例,吻合可能型5 例)中25 例(83%)であった.全期間を通じて肝移植なしで術後5 年および10 年の累積生存率は,それぞれ60.9%および35.9%であった.術後ステロイド療法は静脈内にprednisolone 4 mg/kg/日を術後7 日目より投与を始め,1 ヵ月で漸減した.1 日平均ステロイド投与量と黄疸消失に要した術後日数に負の相関を認め,十分量のステロイドを短期間に集中して投与することで早期に黄疸消失が得られた.本症の挑戦的治療には,病因に関する新知見に基づいたさらなる治療展開が今後必要である.
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連載/外科医のための輸血医学講座 (12)
肝移植における輸血
(湯浅健; 丹羽紀実; 辻博昭; 万木紀美子; 江川裕人; 田中紘一; 木村晋也; 前川平)
p.
555–558(4)
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臨床と研究
術後合併症からみた腹腔鏡補助下大腸手術の問題点とその対策
(池田英二; 名和清人; 古谷四郎; 辻尚志; 野上智弘; 増田紘子)
p.
559–565(7)
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患者管理
小児肛門周囲膿瘍に対するオゾン水浴の試み
(末浩司; 中村晶俊; 小田欣矢; 長谷一憲)
p.
567–569(3)
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症例
術前診断にMRI が有用であった乳腺過誤腫の1 例
(宇田憲司; 石井辰明; 金仁洙; 室雅彦; 井谷史嗣)
p.
570–573(4)
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胃~食道に重複した扁平上皮癌の1 例
(佐藤良太郎; 渡辺泰治; 紺野靖; 中野末広; 月川賢; 窪田倭)
p.
574–578(5)
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メッシュを用いた腹壁瘢痕ヘルニア根治術直後に腹部刺創を受傷した1 例
(豊田泰弘; 小山隆司; 栗栖茂; 高橋英幸; 梅木雅彦; 八田健)
p.
579–582(4)
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小腸gastrointestinal stromal tumor による成人腸重積症の1 例
(二村直樹; 松友将純; 丸井努; 安村幹央; 立山健一郎)
p.
583–586(4)
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胃全摘術後4 年目にRoux-en Y 吻合部に発生した逆行性腸重積症の1 例
(秋山有史; 青木毅一; 中屋勉; 藤原久貴; 斎藤和好)
p.
587–589(3)
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異食症に起因した虫垂内異物の1 例
(田澤賢一; 山洞典正; 鈴木俊繁; 長倉成憲; 斎藤英俊)
p.
590–592(3)
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腹腔鏡下に切除した虫垂炎症性異物肉芽腫の1 例
(吉田直優; 松尾浩; 関野考史; 山田卓也; 竹村博文; 下川邦泰)
p.
593–595(3)
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上行結腸穿孔をきたしたOgilvie 症候群の1 例
(横溝博; 林洋光; 深見賢作; 田中栄治; 桑田絹子; 山口賢治; 林亨治; 平田稔彦; 山根隆明)
p.
596–599(4)
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肝細胞癌切除後~孤立性リンパ節再発の1 例
(彭英峰; 永野浩昭; 金致完; 太田英夫; 山本為義; 堂野恵三; 梅下浩司; 中森正二; 左近賢人; 門田守人)
p.
600–605(6)
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肝切除術後遷延性低血圧を認めたβ1 遮断薬atenolol 連用者の1 例
(加藤容二郎; 吉見富洋; 朝戸裕二; 石橋正二郎; 小松崎徹也; 浅倉信明)
p.
606–610(5)
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Lambert-Eaton 筋無力症候群に併発した膵外分泌内分泌併存腫瘍の1 例
(森賀威雄; 牧野智和; 河本和幸; 伊藤雅; 吉田泰夫; 小笠原敬三)
p.
611–614(4)
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子宮留膿腫穿孔による汎発性腹膜炎の1 例
(長田博光; 横尾直樹; 北角泰人; 東久弥; 梁純明; 吉田隆浩)
p.
615–618(4)
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書評
がん医療ルネサンス—— 癌研有明病院の選択
(櫻井健司)
p.
566–566(1)
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